WBCベストナイン受賞者の活躍を振り返る 大谷翔平は投打で侍ジャパンを牽引

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 3月8日に火蓋が切られたWBCは、侍ジャパンの14年ぶりとなる優勝で幕を閉じた。本稿では3月22日(日本時間)の決勝戦終了後に発表されたベストナイン(投手3名、野手9名)の活躍を振り返る。

投手 大谷翔平(日本) 9 2/3回 2失点 11奪三振

【Photo by Eric Espada/Getty Images】

 準々決勝のイタリア戦では初回から気迫を前面に出した渾身の投球を披露。9日の中国戦と比べてスプリットを増やすなど、配球にも変化を加えて打者を圧倒した。最後はピンチをつくって降板するも、魂のこもった71球はチームの士気をより一層高めるものだった。決勝のアメリカ戦では栗山監督に志願して9回のマウンドに上がると、最後は盟友・M.トラウトのバットをスライダーで空に切らせ、侍ジャパンに14年ぶりの歓喜をもたらした。

投手 M.ロメロ(キューバ) 8 2/3回 2失点 13奪三振

【Photo by Eric Espada/Getty Images】

 大会最多となる5試合に登板し、同じく最多の13奪三振を記録。15日のオーストラリア戦では4回に一二塁のピンチの場面で登板すると、後続を打ち取って得点を与えず。5回も無失点に抑えてチームに流れを呼び込み、同国17年ぶりとなるベスト4進出に大きく貢献した。走者を背負った状況では1安打しか許しておらず、ピンチに動じない強心臓ぶりはキューバブルペン陣の中でも際立った。

投手 P.サンドバル(メキシコ) 7 1/3回 1失点 8奪三振

【Photo by Megan Briggs/Getty Images】

 アメリカ戦は3回1失点、日本戦では4回3分の1を投げて無失点と、決勝に進出した両チームと対戦したうえでの防御率1.23は数字以上の価値を持つ。日本戦でのスライダーの投球割合は47.0%と半分近くを占めており、5つの三振をこのウイニングショットで奪うなど、優勝したチームを苦しめた。エンゼルスの同僚でもある大谷やM.トラウトとの対戦では計3打数0安打2三振とスーパースターたちを封じ込めた。

捕手 S.ペレス(ベネズエラ) 打率.429 1本 6打点

【Photo by Eric Espada/Getty Images】

 13日のプエルトリコ戦では3ランを含む4安打5打点の大活躍で強豪撃破に貢献。19日のアメリカ戦では敗れはしたものの、5回に同点となるタイムリーを放つなど、勝負どころでの一打でチームに勢いをもたらした。スイング率70.5%は10打席以上立った選手の中でトップと、積極果敢なバッティングで中軸の役割を全うした。

一塁手 ジャン・ユーチェン(チャイニーズ・タイペイ)打率.438 2本 8打点

【Photo by Gene Wang/Getty Images】

 10日のイタリア戦では6回に同点2ラン、11日のオランダ戦では2回に勝ち越しの満塁弾を放つなど、チーム唯一のメジャーリーガーとして打線をけん引。放った2本のアーチはいずれも150キロ以上のボールを捉えたもので、速球に対して振り負けないスイングの強さが光った。1次ラウンドで敗退したチームの選手ではただ1人の大会ベストナイン選出であり、主砲として見せたバッティングは強烈なインパクトを残した。

二塁手 J.バイエズ(プエルトリコ) 打率.368 1本 6打点

【Photo by Megan Briggs/Getty Images】

 18日のメキシコ戦では2ランを含む3安打をマーク。走者のいない場面では8打数2安打だったのに対し、走者を置いた場面では11打数5安打と抜群の集中力を発揮した。12日のニカラグア戦で華麗な守備を披露すると、14日のイスラエル戦ではタッチをかいくぐり三盗に成功。走攻守にアクロバティックなプレーでチームに貢献し、前回大会に続いてのベストナイン選出となった。

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著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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