ファンが選ぶ!2023年新人王は誰だ!?
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オープン戦も終盤を迎えたこの時期、ファンが気になるのは若手選手のプレーではないだろうか。チームにプラスアルファの勢いをもたらす新戦力がどこまで台頭してくるか。そこで、本稿ではスポーツナビ恒例となった、プロ野球開幕前のファン投票による「新人王予想」セ・リーグ編の結果を、ランキング形式で紹介する。(※オープン戦の成績は3月17日終了時点)
現在の侍ジャパンのメンバーを見ると、新人王受賞経験者が5名。大勢(巨人/2022年)、栗林良吏(広島/21年)、村上宗隆(ヤクルト/19年)、宮城大弥(オリックス/21年)、源田壮亮(西武/17年)と、豪華な顔ぶれだ。
未来の侍ジャパンにもつながる新人王。今年は誰の手に輝くか――。(企画構成:スリーライト)
※上位はスポーツナビアプリでご覧いただけます
ランキング
順位 | 選手名 | 所属/ポジション/年数 | 得票率 |
---|---|---|---|
1 | 吉村貢司郎 | ヤクルト/投手/1年目 | 27.6% |
2 | 森下翔太 | 阪神/外野手/1年目 | 22.8% |
3 | 浅野翔吾 | 巨人/外野手/1年目 | 21.7% |
4 | 仲地礼亜 | 中日/投手/1年目 | 9.3% |
5 | 小園健太 | DeNA/投手/2年目 | 8.6% |
6 | 松尾汐恩 | DeNA/捕手/1年目 | 8.5% |
7 | ブライト健太 | 中日/外野手/2年目 | 7.5% |
8 | 澤井廉 | ヤクルト/外野手/1年目 | 6.6% |
9 | 益田武尚 | 広島/投手/1年目 | 5.8% |
10 | 坂本拓己 | ヤクルト/投手/1年目 | 5.6% |
11 | 田中幹也 | 中日/内野手/1年目 | 5.6% |
12 | 西村瑠伊斗 | ヤクルト/内野手/1年目 | 5.5% |
13 | 山下輝 | ヤクルト/投手/2年目 | 5.5% |
14 | 吉野光樹 | DeNA/投手/1年目 | 5.5% |
15 | 村松開人 | 中日/内野手/1年目 | 5.1% |
16 | 斉藤優汰 | 広島/投手/1年目 | 4.8% |
17 | 北村恵吾 | ヤクルト/内野手/1年目 | 4.7% |
17 | 市川悠太 | ヤクルト/投手/5年目 | 4.0% |
19 | 井上広大 | 阪神/外野手/4年目 | 4.0% |
20 | 門脇誠 | 巨人/内野手/1年目 | 3.8% |
21 | 森木大智 | 阪神/投手/2年目 | 3.6% |
22 | 井上温大 | 巨人/投手/4年目 | 3.6% |
23 | 秋広優人 | 巨人/内野手/3年目 | 3.4% |
24 | 森下瑠大 | DeNA/投手/1年目 | 3.2% |
25 | 桐敷拓馬 | 阪神/投手/2年目 | 3.2% |
26 | 田中千晴 | 巨人/投手/1年目 | 3.1% |
27 | 橋本達弥 | DeNA/投手/1年目 | 3.0% |
28 | 萩尾匡也 | 巨人/外野手/1年目 | 2.6% |
29 | 小森航大郎 | ヤクルト/内野手/2年目 | 2.5% |
30 | 武岡龍世 | ヤクルト/内野手/4年目 | 2.0% |
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ファンが予想! 2023年セ・リーグ新人王は誰だ!?
27.6%の得票率で1位に輝いたのは、ヤクルトのドラフト1位・吉村貢司郎(投手/1年目)。150キロ近いストレートとフォーク、スライダーのコンビネーションを武器に、名門・東芝で実績を積み重ね、「社会人ナンバー1投手」の称号を得た。ここまで、オープン戦で3度登板し、9イニングを無失点中。先発ローテ入りの可能性が高まっている。ファンの選出理由を見ると、「即戦力投手が有利」「チーム事情から出番が多そう」。先発ローテがまだ完全には決まっていないチーム事情も、新人王の後押しになるか。
2位(22.8%)には、阪神ファンの期待を背負う森下翔太(外野手/1年目)が入った。東海大相模でセンバツ準優勝に輝き、中央大では大学日本代表に選ばれた強打が売りの外野手だ。オープン戦ではすでに2本のホームランを放っており、開幕スタメンの可能性も十分にある。阪神は投手陣が安定しているだけに、森下の活躍によって得点力がアップすれば、優勝争いに絡んでくるはずだ。
3位(21.7%)に選ばれたのは、高松商の主砲として甲子園を沸かせ、高校通算68発を放った巨人の浅野翔吾(外野手/1年目)。昨秋のドラフト会議では、巨人と阪神が1位で競合し、原辰徳監督が交渉権を獲得した。巨人は1位のくじ引きで11連敗を喫していたが、ついに幸運をもたらす救世主が現れた。プロ入り後はファームの教育リーグで奮闘中。起用法を見ると、2年目以降に新人王を狙うチャンスが来るのではないか。
4位(9.3%)は中日のドラフト1位、沖縄大出身の仲地礼亜(投手/1年目)。150キロに迫るストレートを武器にする本格派右腕で、ドラフト制以降では沖縄県の大学から初めてプロ入りを果たした。3月5日の侍ジャパンとの強化試合で、本拠地デビューを飾ると1回1安打2失点。失点したあと、牧秀悟を149キロのストレートで見逃し三振、村上宗隆を148キロのストレートでファーストゴロに打ち取るなど、大器の片鱗を見せた。
5位(8.6%)には2021年のドラフト1位、DeNAの小園健太(投手/2年目)がランクイン。市和歌山時代には、松川虎生(ロッテ)とバッテリーを組み、ともにドラフト1位でプロ入り。昨年、相棒の松川は一軍で存在感を示したが、小園は体力作りに時間をあて、ファームで3試合4回2/3の登板に終わった。今季は3月11日の中日戦で一軍初先発を果たしたが、コントロールに苦しみ3回3失点。潜在能力はたしかなものがあるだけに、どこで花が開くか。
6位(8.5%)は同じくDeNAの松尾汐恩(捕手/1年目)。大阪桐蔭の正捕手として活躍し、ドラフト1位でプロ入りを果たした。コンタクト能力に長けたバッティングが魅力で、春季教育リーグでは5試合連続安打を記録。ドラフト指名時の記者会見では、「目標はトリプルスリー」と口にしたように、足にも自信あり。小園と松尾のバッテリーがDeNAを引っ張る時代が、近い将来訪れるかもしれない。
7位(7.5%)にランクインしたのは、大卒2年目を迎えた中日期待の大砲・ブライト健太(外野手/2年目)。パンチ力とスピードが魅力のアスリート型タイプだ。1年目は一軍デビューを果たせず、ファームで打率.211、3本塁打、10打点と、プロの壁に苦しんだ。今季はキャンプからアピールを続けていたが、3月12日のオープン戦を最後に二軍へ。層の厚い外野陣に食い込むには、打で存在感を示すしかない。
ここまでが、過去2年のドラフト1位組。ファンの立場からすると、「ドライチ」にはとりわけ大きな期待をかけたくなるものだろう。その流れの中で、8位(6.6%)に入ったヤクルトの澤井廉(外野手/1年目)は、昨年のドラフト3位。180センチ100キロの体格が際立つ、左の長距離砲だ。中京大3年秋には、リーグ戦でMVPを受賞した実績を持つ。まだまだ粗さがあるが、「未完の大器」として楽しみなロマン砲と言える。
9位(5.8%)にランクインしたのも、ドラフト3位で広島に入団した益田武尚(投手/1年目)。強いストレートとフォークを軸に、東京ガスで主戦を務め、昨年の都市対抗では久慈賞(敢闘選手)を受賞した。プロ入り後、3月11日のオープン戦では、初先発で3イニングを無安打無失点。春季キャンプでツーシームを習得し、攻め幅が広がっている。開幕ローテに食い込むことができれば、新人王の道も見えてくる。
10位(5.6%)は北海道奥尻島出身の高卒左腕・ヤクルトの坂本拓己(投手/1年目)。知内高校のエースとして、南北海道大会で準優勝に輝き、昨秋のドラフトで4位指名を受けた。180センチ85キロの恵まれた体格を生かし、140キロ台中盤のストレートとスライダーのコンビネーションを武器にする。奥尻島出身のプロ野球選手には、プロで通算165勝を挙げた佐藤義則がいる。44歳まで現役を続けた大先輩のように、息の長い活躍を見せられるか。
同率で10位(5.6%)に入ったのが、ドラフト6位で中日に入団した田中幹也(内野手/1年目)。10位圏内では初の内野手となる。166センチ68キロと小柄な体だが、類まれなスピードと柔らかいグラブさばき、ミートポイントの近いバッティングが持ち味で、オープン戦で好アピール。19日の楽天戦で右肩を脱臼して開幕戦への出場が厳しくなったが、早期復帰から定位置を確保できれば、ドラフト6位からの新人王獲得も非現実的な話ではないだろう。
10位以降を見ると、岡田彰布監督が期待を寄せる大砲候補・井上広大(外野手/4年目)が18位タイ(4.0%)にランクイン。履正社で夏の全国制覇を果たした主砲も、4年目を迎える。3月5日、甲子園球場で行われたオープン戦では、本拠地での今季チーム初ホームランを叩きこんだ。自慢のパンチ力に、どこまで確実性が備わってくるか。一軍で存在感を示すシーズンにしたい。
(文:大利実、企画構成:スリーライト)