コロナ禍で、球団経営はどう変わるのか? 難局で横浜DeNAが感じた「野球の力」
近年は、チケットが手に入りづらくなっているDeNAの本拠地・横浜スタジアム。新型コロナの感染拡大で、状況が一変。球団はどのようにこの危機を乗り越えようとしているのだろうか 【写真は共同】
スポーツの持つ意味は変わらない
「スポーツを軸とした新しい街づくり」横浜スポーツタウン構想を掲げているDeNA。「大きな流れは変わらない」と岡村社長は話す 【写真は共同】
これまで我々は、昭和からあるプロ野球という文化を21世紀型のライブエンターテインメントとして捉え、その可能性をなるべく広げていこうとしてきました。その中心がライブ。横浜スタジアムに大勢のファンを迎え、そのにぎわいがプロ野球の領域を広げていく。具体的に言えば、横浜スポーツタウン構想や「コミュニティボールパーク」化構想を掲げてきました。
横浜スポーツタウンの中心となるスタジアムを大改修して、今年は3万4000人の規模になりました。こけら落としをして五輪を迎えて……という中でのコロナショック。今後、数年は人の生活やリアルなスポーツ観戦は影響を受けるだろうと見ています。ですが、5年、10年というスパンで見た場合、人間はそれなりに対処する方法を持っていると考えています。
――横浜スポーツタウン構想では「スポーツを軸とした新しい街づくり」を掲げ、行政や企業を巻き込み球場内外でさまざまな取り組みを行なってきました。コロナで変わる部分はありますか?
人間は何のために生きているかと言うと、なるべく「楽しかった」という人生を送るためだと思います。「楽しかった」という人生は自分だけのものではなく、次世代にバトンタッチできる。それが人間にとって「文化づくり」だと、より意識できる世の中になってきました。
テクノロジーがいろんな部分で人間を代替し、健康な長寿を与えてくれる。その一例として、モビリティーが進化して移動の自由が効くことなどがあります。そうして人間の「文化」が成熟していく中で、スポーツはますます重要な意味を占めるという大きな流れは変わらないと思っています。
コロナ以前から、我々はファンの皆さんとのコミュニケーションをなるべく数多く打ってきました。そうすることでファンの皆さんとチームの間にエネルギーの磁場や交流がつくり出されていくので、できるだけコミュニケーションの量を増やしていく。それはリアルの球場より、むしろバーチャルの環境の方が得意領域であるはずです。だから今、ファンの皆さんとのコミュニケーションの量を増やすには絶好の機会だと思っています。
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