久保も強いられる“地獄のスケジュール”の実態 マジョルカの指揮官がベタ褒めした浅野のハイパフォーマンス
来季のCL出場枠が増加する可能性が
現時点で、CLではバルセロナ、アトレティコ・マドリー、レアル・マドリーの常連3チームが、ヨーロッパリーグ(EL)ではアスレティック・ビルバオとレアル・ソシエダのバスク勢2チームが、そして注目度は低いながら、カンファレンスリーグ(COL)でもベティスが、それぞれの大会で勝ち残っている(原稿執筆の2月17日時点ではバルサ、A・マドリー、アスレティックがすでにラウンド16進出を決め、R・マドリー、ソシエダ、ベティスはノックアウトフェーズのプレーオフ第1レグを終えた段階)。
その一方で、今シーズンはイタリア勢が振るわず、実際2月17日に更新されたUEFAカントリーランキング(各国協会からCL、EL、COLに参加できるクラブ数を決める際に使われるランキング)では、スペインがイタリアを抜き、イングランドに次ぐ2位につけている。
ランキングに影響する勝利ポイント獲得に大きく貢献したのが、COLのプレーオフ第1レグでベルギーのヘントを破ったベティス(3-0)、ELのプレーオフ第1レグでデンマークのミッティランを退けたソシエダ(2-1)だ。いずれも難しいアウェーゲームで先勝。とりわけソシエダはマイナス3℃(体感温度はマイナス7℃)という厳寒の中での戦いを強いられたが、「プロになってから、あんなに寒いところで試合をしたのは初めて」と振り返った久保建英のスーパーゴールが決勝点となって、勝利をつかみ取っている。
このままCLの出場枠が増えれば、来シーズンはスペインからビッグ3のような常連クラブに加えて、さらに2チームがこの欧州最高峰の舞台に立てるわけだ。それこそ現在リーガで7位につける浅野拓磨所属のマジョルカなどにも、チャンスが巡ってくるかもしれない。
冬に大型補強のベティスがソシエダに大勝
2月16日(現地時間、以下同)に行われたラ・リーガ第24節では、奇しくもUEFAカントリーランキング上昇に貢献した2チーム、ベティスとソシエダが対戦。結果はホームのベティスが、エースの久保建英を温存したソシエダに3-0で快勝している。ともにミッドウイークに欧州カップ戦のプレーオフ第2レグを控える中でのゲームで条件は同じだったが、それでもこの差がついたことで改めて考えさせられたのが、冬の移籍マーケットの重要性だった。
COLで優勝し、来シーズンのEL出場権を獲得することを目標の1つに掲げるベティスは、今冬の移籍市場でクチョ・フェルナンデス(←コロンバス・クルー)、アントニー(←マンチェスター・ユナイテッド)という2人の実力派アタッカーを獲得。戦力の拡充に成功し、特にマンUからレンタルで手に入れたアントニーは、ソシエダ戦の先制点も含め、ベティス加入後の公式戦4試合で3ゴールという目覚ましい活躍を見せている。
これに対して、ソシエダがこの冬に獲得した選手はゼロ。ジョキン・アペリバイ会長が「1月は何も見なかったし、どこのクラブとも補強の話はしなかった」と明言すれば、現場を預かるイマノル・アルグアシル監督も、「他(のクラブの選手)を見るということは、手元の選手を信頼していないということだ」とコメントするなど、シーズン途中の補強には消極的だった。
とはいえ、選手たちに“地獄のスケジュール”(calendario infernal)を強いる現代サッカー界の過密日程を思えば、選手層はいくら厚くても十分ではないだろう。