「人生が変わった」と松山英樹が回顧 マスターズと全英OPの出場権がかかるアジア太平洋地域最大のアマ大会

北村収

2010年に優勝を果たした松山英樹。マスターズと全英オープンのフラッグを持っている 【Photo by Streeter Lecka/Getty Images】

 10月3日から6日まで、日本では14年ぶりとなる「アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権」が開催される。優勝者には翌年の「マスターズ」と「全英オープン」の出場権が与えられるアジア太平洋地域のアマチュア選手にとっては夢のような大会だ。会場となる太平洋クラブ御殿場コースは、「三井住友VISA太平洋マスターズ」でおなじみのコース。また2001年にはタイガー・ウッズが出場したワールドカップの開催実績もあり、今年は4月にDPワールドツアー(欧州ツアー)も行っている。

アジア太平洋地域からマスターズチャンピオンを生み出すことが大会の狙い

「アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権」は2009年に第1回大会が開催された。この大会は、「マスターズ」を主催するオーガスタナショナルゴルフクラブと「全英オープン」を主催するR&Aが設立パートナーとして参画しており、優勝者には「マスターズ」および「全英オープン」への出場資格、準優勝者には全英オープンの最終予選への出場権が与えられる。

 この大会の設立には、当時のオーガスタナショナルゴルフクラブのチェアマンであったビリー・ペイン氏の強い意志が込められている。ペイン氏の大会設立のビジョンは、アジア太平洋地域の若い才能あるゴルファーに国際舞台で競い合う機会を提供し、競技レベルを引き上げるというものであった。

2度優勝の松山英樹がアジア初のマスターズチャンピオンに!

 2010年、日本の霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催された大会で優勝した松山英樹は、翌年の「マスターズ」に出場しローアマに輝き、日本人として初めて「マスターズ」の表彰式に出席。「マスターズ」の表彰式の舞台に日本人が立つ歴史的な瞬間となり、松山だけでなく、日本ゴルフ界全体にとっても大きな誇りとなった。

2011年マスターズでローアマに輝いた松山英樹。オーガスタナショナルゴルフクラブのチェアマンであり、「アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権」設立のキーマンであるビリー・ペイン氏(左)よりトロフィーを渡された 【Photo by Ross Kinnaird/Getty Images for Golf Week】

 そしてその10年後の2021年、松山は日本人として、さらにはアジア出身選手として初めてマスターズで優勝。グリーンジャケットを手にしたその姿は、ゴルフ史に永遠に刻まれた。

 アジア太平洋ゴルフ連盟のホームページでは2024年4月9日の記事で、松山英樹のアジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権に関するコメントを紹介している。「2度優勝し、マスターズに招待されたことは、本当に人生を変えるものでした。ずっとマスターズに出場したいと思っていて、テレビでよく見ていました。オーガスタナショナルゴルフクラブのメンバーには、僕だけでなく、アジアのゴルフ界のためにしてくれたことに感謝しています」。

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 また、「アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権」設立の立役者であるビリー・ペイン氏は松山英樹がマスターズで優勝した際、すでにチェアマンを退いていたがグリーンジャケットセレモニーに出席。アジア初のマスターズチャンピオンがこの大会から誕生したことに対し、「アジアの若者にもチャンスを与えようと始めた大会が、このような結果を生みとても嬉しい」とコメント。さらに、ペイン氏から松山英樹に、10年前のローアマの時に獲得したトロフィーを改めて渡したという場面があったそうだ。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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