松山英樹が日本男子ゴルフ初のメダルに笑顔 “心が試されるコース”の妙を田島創志が解説
シェフラー(中央)、フリートウッド(左)に次ぐ3位となった松山。五輪での結果にこだわっていただけに、嬉しい銅メダル獲得となった 【写真は共同】
初日はノーボギーの63を記録して単独トップでスタートした松山だが、2日目は7バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの68で1位タイに。この時点でトップの11アンダーに松山、ザンダー・シャウフェレ(米国)、フリートウッドの3選手が並ぶ大混戦となった。3日目はショットに苦しみ3バーディー、3ボギーの71で4位タイに後退した松山だが、最終日に6バーディー、ノーボギーで65と追い上げた。
メダル獲得に強い思いで臨んだ松山と世界トップレベルが集った海外勢。池に囲まれた“逃げ場”のないコースだっただけに、常に勝負が必要な“心が試されるゲーム”となった。2000年にプロ転向し、2003年には「久光製薬KBCオーガスタ」を制したプロゴルファーの田島創志さんに、今大会の難しさや印象的だったシーンを解説してもらった。
今までにない感情をあらわにした松山英樹
五輪期間中の松山は調子が上がりきっていない一面もあったが、最終ラウンドでは3連続バーディーを決めるなど、さすがのプレーぶりを見せた 【写真は共同】
4日間のプレーを振り返ってみると、調子はあまり良くなかったのではないかと感じました。3日目にあれだけショットを左に引っ掛ける松山選手は見たことがありません。その日は最後まで練習場に残って練習し、最終日にしっかりと調子を戻してくるあたりは、さすがだなと感じました。これは丸山茂樹監督の存在も大きかったと思います。松山選手は自分に厳しい選手なので、自分と同じレベルで戦ってきた人が近くにいて支えてくれるのは、非常に心強いですよね。
今大会の松山選手のプレーを見て、改めて終盤に見せた右に曲げるフェードボールの精度の高さに感心しました。今回のコースは池の多さやフェアウェイの狭さ、セカンドカットとサードカットの芝の深さなどが厳しく、実力がそのままスコアに反映される“逃げ場”のないコースです。常に勝負せざるを得ず、心が試されました。経験豊富な松山選手は、コース設計者の意図のさらに上をいくショットを連発していましたね。