現代ゴルファーの7割が未経験! 一度は経験しておいたほうがいい? 至れり尽くせりキャディ付きゴルフ

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ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第121回

令和のゴルフはセルフプレーが当たり前となり、現在ゴルフをしているゴルファーの7割は、キャディ付きのゴルフを経験したことすらないという調査結果もある。キャディ付きゴルフはこのままなくなってしまうのか!?

キャディって何をする人? 絶滅寸前のキャディ制度を考える

令和という新しい時代になって、ゴルフはどんどん進化しています。その一つは、セルフプレーのゴルフがメジャー化して、完全に浸透したことです。
ゴルフサイトのアンケート結果によると、2024年春、ゴルフをしている人の74パーセントは、セルフプレーのゴルフしかしたことがないそうです。個人的な肌感覚だと、キャディ付きのゴルフの経験があるゴルファーは、もっと少ないような気がします。

「キャディって、何をする仕事なの?」とよく聞かれます。

キャディのお仕事は、ゴルファーのお手伝いです。
キャディバッグというぐらいなので、クラブを運ぶことから始まって、ゴルファーを多岐にわたってフォローします。

セルフプレーに慣れているゴルファーは、何でも自分でするのが当たり前になっています。ですから、令和のキャディは、昔に比べるとお仕事が減ってしまったという現実があります。そう遠くない将来、特殊なケースを除いてキャディ制度はなくなるという予測もあります。

昭和のゴルフ場はキャディ育成に余念がなかった

アジアのリゾートコースでは、サービスとしてゴルファー一人に、最低でも一人の専用キャディが付いてくれます。望めばティーアップもしてくれて、日傘を差してくれたり、団扇で風を送ってくれたり、王様気分のゴルフを満喫できるそうです。

昭和の頃は、セルフプレーができるゴルフコースは数パーセントしかありませんでした。

キャディ付きでなければゴルフはできなかったのです。キャディの良し悪しがコースの評価に影響するので、ゴルフコースは優秀なキャディを育成するシステムを作って、レベルアップに余念がありませんでした。

結果として、ホールのレイアウトの説明、どこを狙って打てば良いか、残りの距離は何ヤードか、何番を使うか、クラブを運んで、渡し、狙い通りにアドレスしているかチェックをして、良いショットは褒めて、ミスショットは励ます。プレーのペースをさり気なく速く保ち、打った跡に目土をして、バンカーを均し、ルールがわからなければ説明をして、グリーンに乗れば、ボールを拭き、ラインを読み、ときにはスコアを数えて教えたり、夏なら冷たいタオルを良いタイミングで出し、水筒の冷えた麦茶を飲ませてくれて、塩分補給で梅干しをくれる。

これが普通でした。本当に当たり前だったのです。

キャディと上手く付き合えるようになったらゴルファーとして一人前?

キャディ制度が消える前に、キャディ付きのゴルフをしてみようと考えるゴルファーもいます。「注意点とかあれば教えてください」と聞かれたりしますが、手助けしてもらうことに感謝して、楽しむことです、とアドバイスします。

クラブを運んでくれること、残りの距離やレイアウト、パットのラインのアドバイス、ボール拭きなどは基本のサービスとして、キャディはごく自然にしてくれます。どこにどう打つかを決めるのはプレーヤーなので、キャディのアドバイス通りに打つのもアリ、自分を信じるのもアリです。

正確なアドバイスをしてくれるキャディもいますが、ちょっと怪しいキャデイもいます。そもそも、ゴルフをしたことがないキャディも珍しくありません。
キャディ制度では、原則として、キャディの指名はできません。くじ引きというか、運次第なのです。料金は同じですから、若者のような表現をするならば“キャディガチャ”なのです。

とはいえ、これはキャディサイドから見ても同じなのです。良い客に会えば、その日の仕事は楽で気分良くできますが、悪い客に付けば残念であり、運次第と言えるのです。
キャディも人間。ゴルファーも人間。業務を通してのお付き合いとはいえ、ゴルフは長時間一緒に過ごします。できればお互いに気分良くゴルフをして、お仕事をしたいのです。

昭和の時代は、キャディと上手く付き合えてゴルファーとして一人前と評価されました。それを可能にするハウツーは、ちゃんと感謝を伝える、ということです。金を払っているから当たり前というセコい根性は捨てて、クラブを持ってきてもらっても、目土をしてもらっても、ボールを拭いてもらっても、そのつど、「ありがとう」と目を見て感謝を言葉にしましょう。

結局、キャディガチャは、ゴルファー次第なのです。
もう長い間、キャディガチャで外れがありません。こちらの体制が整っていれば、キャディは最高のパフォーマンスを発揮してくれるものだからです。
篠原嗣典

ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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著者プロフィール

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