連載:WBCプール展望&ライバル国分析

【WBC優勝候補分析】韓国はメジャーリーガー中心にバランスの取れた野手陣が強み 攻略の鍵は「左腕の起用法」

データスタジアム株式会社
 開催がいよいよ目前に迫ってきたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。6年ぶりとなる大会の開催に先駆けて、出場各国のロースターが発表されつつある。今大会は開催前から有力なメジャーリーガーが参戦を表明することも多く、過去の大会以上に熱い戦いが繰り広げられることだろう。本コラムでは、その中でも主要な4カ国の顔ぶれを確認して、それぞれのチームの強みや弱点を探ってみたい。

※内容は2023年2月2日時点の情報をもとに執筆

MLB経験のある2人のベテラン左腕を中心とした投手陣

2008年の北京五輪での金メダルに貢献したキム・グァンヒョンは現在34歳。2009年に続いて自身2度目のWBCに臨む 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 投手陣の中心は、キム・グァンヒョンとヤン・ヒョンジョンの2人。キム・グァンヒョンは、2008年の北京五輪で日本代表の前に立ちはだかった投手であり、そのことを記憶している読者も多いのではないだろうか。両ベテラン左腕はともにMLBでプレーした経験を持ち、昨季は国内リーグでそれぞれ2ケタ勝利を挙げて健在ぶりを示している。このほか、21年の新人王であるイ・ウィリや、昨季13勝を挙げたソ・ヒョンジュンといった将来有望な20歳前後の投手も選出された。東京五輪の準決勝で日本戦に先発した変則右腕のコ・ヨンピョも代表入りをしており、他にも国際大会ではおなじみの投手が多い。

 リリーフ投手に目を向けると、クローザーでの起用が予想されるのはコ・ウソクだ。昨季は国内リーグで42セーブを挙げ、防御率1.48をマークしている。150キロ超のストレートと140キロ台後半のカットボールを武器としており、奪三振率11.87を記録している剛腕だ。東京五輪では準決勝の日本戦で敗戦投手になっているだけに、今大会にかける思いは人一倍強いだろう。そして、そのコ・ウソクにバトンをつなぐのが、チョン・ウヨン。サイドハンドから150キロ超えの速球を投げ込む姿は、かつてヤクルトで活躍した林昌勇(イム・チャンヨン)をほうふつとさせ、昨季は67試合に登板してリーグトップの35ホールドをマークしている。これに加えて、昨季の新人王であるチョン・チョルウォンや、イ・ヨンチャンといった球速の速いリリーバーが名を連ねている。今大会では球数制限が設けられているため、継投は重要な戦術となってくる。投手出身のイ・ガンチョル監督は、代表チームの指揮を執るのはキャリアで今回が初。巧みな投手起用に定評があるが、その手腕にも注目したい。

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