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150%成長を続ける茨城ロボッツ
B1昇格そして日本一へと続く道に挑む
茨城ロボッツが、第3回日本スポーツビジネス大賞のライジングスター賞に輝いた。(左から)株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメントの上原和人GM、山谷拓志社長、堀義人オーナー、株式会社いばらきスポーツタウン・マネジメントの川崎篤之社長
茨城ロボッツが、第3回日本スポーツビジネス大賞のライジングスター賞に輝いた。(左から)株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメントの上原和人GM、山谷拓志社長、堀義人オーナー、株式会社いばらきスポーツタウン・マネジメントの川崎篤之社長【(C)IRSE】

 2018年3月、日本のスポーツビジネスのさらなる発展に貢献する狙いで誕生した「日本スポーツビジネス大賞」。3年目となる2019年度、独自の創意工夫や新規性が認められ、今後ますますの成長が期待される「ライジングスター賞」を受賞したのは「株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメント」である。4シーズン連続で150%以上の売上成長を記録するなど、2019年度、B2ながら約5億円の売上を達成(前年度は約3億1000万円、156.6%伸長)。新アリーナ「アダストリアみとアリーナ」における2019年4月6日のオープニングゲームでは5041人とB2の観客動員数新記録を樹立。ラジオ放送局茨城放送との資本提携など、スポーツによる水戸市中心市街地の活性化に積極的に貢献している。一時は経営破たんを迎えた同クラブの再建を担ってきた同社代表取締役社長の山谷拓志氏に、これまでの経営戦略、そして今後の展望を伺った。

ターニングポイントは「出会い」

茨城ロボッツの「アダストリアみとアリーナ」。2019年4月6日のオープニングゲームではB2の観客動員数新記録を樹立した
茨城ロボッツの「アダストリアみとアリーナ」。2019年4月6日のオープニングゲームではB2の観客動員数新記録を樹立した【(C)B.LEAGUE】

――日本スポーツビジネス大賞、ライジングスター賞おめでとうございます。


山谷: ありがとうございます。スポーツビジネスにフォーカスした賞はほとんどないですものね。審査員をされているそうそうたる皆さんに茨城ロボッツに関心を持っていただき、このような評価をしていただいたことは、とても光栄でうれしく思います。


 一方で、茨城ロボッツ自体、何を成し遂げたのかと問われれば、今シーズンは中途半端な結果になってしまったこともあり(3月27日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による今シーズン残り試合の全試合中止が決定)、まだB2リーグ優勝やB1昇格を成し遂げたわけでもないですし、スポーツチームとしてまだ誇りに思える成果は出せていません。独特の取り組みをしているとはいえ、成果はまだまだこれからだと思っています。


――山谷さんがBリーグの前身である日本バスケットボールリーグ(NBL)の専務理事兼COOを務めていらっしゃった当時、2014年につくばロボッツは経営破たんしています。そのような状況で経営再建を託され、茨城ロボッツとして業績を回復成長させたところも高く評価されました。


山谷: ラジオ放送局との連携や水戸市におけるスポーツによる街づくりもご評価いただきましたが、その点では、私自身の手腕というよりも、グロービス経営大学院の学長である堀義人さんとの出会いに尽きると思っています。私自身にアイデアがあったとしても、それを実現するための資金面や街全体を巻き込むための大きな影響力までは持っていません。2016年に堀さんと初めてお会いして、地元・水戸に対する彼の想いや地方創生にかける意気込みと、私たちロボッツの目指す方向が重なり、事業をご一緒させていただくことによって、クラブの経営にドライブがかかったと感じています。


 また、もう一つ大きかったのは、かつて水戸市議会議員で、スポーツによる街づくり分野の責任者を担ってもらっている川崎篤之さんの存在です。堀さんが掲げた方針に対して、行政や地元企業の皆さんなど、さまざまなステークホルダーとの細かな利害調整をしてくださった。堀さんの従来の発想をこえた大胆な提案と、それを具現化するための川崎さんによる地道な調整。今回評価していただいたような普通のプロスポーツチームとは異なるチャレンジは、堀さんや川崎さんがいなければ成し遂げられなかったと感じています。


 そして、それに加えて、現在27名ほどの社員たち。この規模で多角化した複雑な業務に対応しながら、しっかりオペレーションしてくれる彼らにも本当に感謝しています。

茨城ロボッツの試合に駆け付け、ファンとともに応援する堀義人オーナー
茨城ロボッツの試合に駆け付け、ファンとともに応援する堀義人オーナー【(C)B.LEAGUE】

――堀さんとは、どのような経緯でタッグを組むことになったのでしょうか。


山谷: もともとはつくば市を本拠地にしていたわけですが、2019年茨城国体に向けて計画されていたつくば市の総合運動公園体育館の建設構想が、2015年8月の住民投票で否決されました。Bリーグ参入審査の期限が迫る中、メインアリーナを想定していた施設が建設されないことになり途方にくれていたとき、水戸市にある体育館が国体向けに改修されるという話を耳にしました。人づてに紹介していただき、水戸市長にお会いしてお話ししたところ、新しいホームアリーナを本拠地として応援しようとすぐに決断してくださいました。水戸市を本拠地にすることだけは決まったものの知り合いもいませんでしたから、とにかくいろいろな会合に参加するようにしていたのです。


 そうしたなかで、水戸のコミュニティーFMで番組を持っていた川崎さんのラジオ番組に出演することになり、2016年2月から堀さんを中心に展開することになった「水戸ど真ん中再生プロジェクト(M-PRO)」にもお声がけをいただき、ロボッツも参画することになりました。初めての会合に参加したときに、堀さんがいらっしゃって。二次会の懇親会で座った席がたまたま隣になりました。このチャンスを逃すまいと思い、Bリーグや茨城ロボッツのことを熱弁したところ、すごく関心を持ってくださったんですよね。以前堀さんが川淵三郎さんと会ったときにBリーグについて話していたという経緯もあったようで、地元のBリーグチームを応援しようということで話がはずみ、その後メールをやり取りする中で、個人で1000万円の出資をしてくださることになった。その後、僕が個人で借金して6000万円出資していることを知ると、同額を出資してくださることになって、50%ずつの株主になっていただいたことが現在の関係を築くきっかけとなりました。


――まさにご縁ですね。


山谷: そうなんですよ。歴史の街・水戸と研究学園都市・つくばは、茨城の中でも非常に特徴的な街であり、人口的にも茨城を代表する二大都市です。ロボッツの社長就任直後は苦しい時代を過ごしましたが、結果的にこの県内の二大都市とご縁ができたこともラッキーでした。とくに、水戸は県庁所在地ということもあり、人、モノ、金、情報が集まってきますし、堀さんにも出会えたわけですから。現在の発展に向けてのきっかけになったと感じます。


 結果につながることを信じて種をまくしかない。ほとんどが空振りかもしれませんが、それを恐れず、とにかくバッターボックスに入ってバットを振る。そんなふうに挑戦し続ける感覚を大切にしてきました。

日本スポーツビジネス大賞実行委員会

「日本スポーツビジネス大賞」は、スポーツビジネスにおける素晴らしい取り組みを行い、年間を通して著しい成果を挙げたクラブ・企業・団体等を表彰する企画。こうした事例にスポットライトを当てることで、分野横断的に学び合い、日本のスポーツ界のさらなる発展に貢献することを目的とする。2017年、川淵三郎氏を発起人代表として発足、実行委員会が事務運営を行う。第3回となる2019年度表彰は、過去2回同様、株式会社楽天野球団元社長で株式会社USEN-NEXT HOLDINGS取締役副社長COOの島田亨氏を審査委員長に迎え、スポーツナビの創業者であり現在はヤフー株式会社常務執行役員コーポレートグループ長、一般財団法人スポーツヒューマンキャピタル代表理事の本間浩輔氏、株式会社スポーツマーケティングラボラトリー代表取締役、株式会社スポカレ代表取締役、一般社団法人スポーツビジネスアカデミー代表理事の荒木重雄氏、欧州サッカー協会マーケティング代理店「TEAMマーケティング」Head of APAC Sales、Jリーグアドバイザーの岡部恭英氏、と各方面でスポーツビジネス業界をリードする識者が審査委員会を構成し、審査を行った。

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