東海大のアタアタ「僕には日本しかない」
ラグビーW杯出場への熱い思い

東海大初の外国人主将「正しいことを正しくできる」

東海大初の外国人キャプテンとして大学日本一を目指すアタアタ・モエアキオラ
東海大初の外国人キャプテンとして大学日本一を目指すアタアタ・モエアキオラ【斉藤健仁】

 悲願の大学日本一を目指す、1963年創部の東海大ラグビー部に初の外国人キャプテンが就任した。


 東海大と言えば、2000年代に入って力をつけてきた関東大学リーグ戦の雄だ。リーグ戦では優勝7回、そして大学選手権では優勝こそならなかったが、2009年度、2015年度、2016年度は準優勝に輝いている強豪チームだ。


 部員が180人近くになるチームのキャプテンに、今年は、身長185センチ、足の大きさは30センチという、「アタ」ことトンガ出身のアタアタ・モエアキオラ(4年)が指名された。同じ東海大出身である日本代表キャプテン、リーチ マイケルでさえ大学時代はキャプテンを務めなかったことを考えると偉業であろう。


 1988年から東海大を指導している木村季由監督は、アタをキャプテンに選んだ理由を「正しいことを正しくでき、発言力も実行力もある。人望もあり正しいことをきっちりやれる。私生活もしっかりしていて、日本人選手の方がルーズなくらいですから」と説明。アタ本人もキャプテンになる可能性を感じていたようで「木村監督に『やってくれ』と言われれば、いつでもやれる準備をしていました」という。

「最後の学年なので優勝したい」

キャプテンとして、選手を集めて声をかける
キャプテンとして、選手を集めて声をかける【斉藤健仁】

 チームメイトもアタがキャプテンになったことに驚きはなかった。副キャプテンのHO加藤竜聖(4年)も「(アタは)チーム思い、仲間思い。いつもおどけていますが、ラグビーに対してはどん欲で、目の色を変えてやっています。また大学の勉強も熱心」、またFWリーダーの西川壮一(4年)も「プレーでチームを引っ張り、口数は少ないですが、ここぞというときに声をかけるとチームがまとまる。また普段もほかの部員が遅刻したり服装が乱れたりしていると厳しく言ってくれます」と信頼を寄せている。


 キャプテンとなったアタは、今年は主にアウトサイドCTBとしてプレーすることになりそうだ。「最後の学年なので優勝したい。大学日本一を目指して精進したい。今年のチームのスローガンに『Marginal Gain(マージナルゲイン)』を掲げたように、1試合1試合を大事に、ちょっとずつ高めていって、大学選手権決勝に向かって成長したい」と意気込んでいる。

中学3年時に来日し、高校時代は花園に出場

流ちょうな日本語でチームメイトとコミュニケーションをとっている
流ちょうな日本語でチームメイトとコミュニケーションをとっている【斉藤健仁】

 そんなアタは12歳からトンガでラグビーを始め、トンガカレッジ、そして東海大でもチームメイトであるNo.8テビタ・タタフとともに目黒学院(東京)ラグビー部から声がかかり、中学3年時に来日。高校2年時には「花園」こと全国高校ラグビー大会にも出場、主にSOとしてプレーして力強いランとスキルフルなプレーでタタフとともに全国区となり、高校2年生から高校日本代表にも選出された。


「トンガカレッジのアカデミーにいて、本当はオーストラリアに行きたかったけど声がかからなかったので、日本に来ました。今では日本が大好きです。大トロ、サーモンの寿司が好き。納豆も食べられます」(モエアキオラ)


 流ちょうな日本語は「高校時代にたくさん勉強しました!」とのことで、タタフは「アタの方が早く日本語ができるようになった」と言う。そのトンガカレッジからの同級生のタタフとは「兄弟みたい」というモエアキオラは「日本に来たとき、少しだけホームシックになったけどトンガの先輩やタタフがいたので問題なかった」と、当時を懐かしそうに振り返った。

斉藤健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。 学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「世界最強のゴールキーパー論」(出版芸術社)、「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)など著書多数。最新刊は「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版/2017年11月刊)。

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