東海大のアタアタ「僕には日本しかない」 ラグビーW杯出場への熱い思い
東海大初の外国人主将「正しいことを正しくできる」
東海大初の外国人キャプテンとして大学日本一を目指すアタアタ・モエアキオラ 【斉藤健仁】
東海大と言えば、2000年代に入って力をつけてきた関東大学リーグ戦の雄だ。リーグ戦では優勝7回、そして大学選手権では優勝こそならなかったが、2009年度、2015年度、2016年度は準優勝に輝いている強豪チームだ。
部員が180人近くになるチームのキャプテンに、今年は、身長185センチ、足の大きさは30センチという、「アタ」ことトンガ出身のアタアタ・モエアキオラ(4年)が指名された。同じ東海大出身である日本代表キャプテン、リーチ マイケルでさえ大学時代はキャプテンを務めなかったことを考えると偉業であろう。
1988年から東海大を指導している木村季由監督は、アタをキャプテンに選んだ理由を「正しいことを正しくでき、発言力も実行力もある。人望もあり正しいことをきっちりやれる。私生活もしっかりしていて、日本人選手の方がルーズなくらいですから」と説明。アタ本人もキャプテンになる可能性を感じていたようで「木村監督に『やってくれ』と言われれば、いつでもやれる準備をしていました」という。
「最後の学年なので優勝したい」
キャプテンとして、選手を集めて声をかける 【斉藤健仁】
キャプテンとなったアタは、今年は主にアウトサイドCTBとしてプレーすることになりそうだ。「最後の学年なので優勝したい。大学日本一を目指して精進したい。今年のチームのスローガンに『Marginal Gain(マージナルゲイン)』を掲げたように、1試合1試合を大事に、ちょっとずつ高めていって、大学選手権決勝に向かって成長したい」と意気込んでいる。
中学3年時に来日し、高校時代は花園に出場
流ちょうな日本語でチームメイトとコミュニケーションをとっている 【斉藤健仁】
「トンガカレッジのアカデミーにいて、本当はオーストラリアに行きたかったけど声がかからなかったので、日本に来ました。今では日本が大好きです。大トロ、サーモンの寿司が好き。納豆も食べられます」(モエアキオラ)
流ちょうな日本語は「高校時代にたくさん勉強しました!」とのことで、タタフは「アタの方が早く日本語ができるようになった」と言う。そのトンガカレッジからの同級生のタタフとは「兄弟みたい」というモエアキオラは「日本に来たとき、少しだけホームシックになったけどトンガの先輩やタタフがいたので問題なかった」と、当時を懐かしそうに振り返った。