アメリカズカップで2大会連続の表彰台 レース展開に見るソフトバンクの成長
舞台はアメリカズカップの故郷
実はポーツマスは、アメリカズカップ発祥の地ともいえる場所である。イギリスは1851年にロンドン万国博覧会を記念して、ポーツマスの目の前にあるワイト島を1周するヨットレースを企画し、銀の優勝カップを用意した。しかし、このヨットレースにただ1艇だけアメリカから参加した「アメリカ号」が、その他のイギリス艇を引き離して勝利してしまい、優勝カップをアメリカに持ち去ってしまった。それ故にこの優勝カップと、それを獲得するためのレースが「アメリカズカップ」と呼ばれるようになったのだ。
立ちはだかるイギリスの国民的スター
そのソフトバンク・チーム・ジャパンに立ちはだかるのが、地元イギリスセーリング界の至宝ベン・エインズリー率いるランドローバー・BARだ。ベン・エインズリーは五輪のセーリング競技においてシドニー、アテネ、北京、ロンドンと4大会連続で金メダルを獲得。同競技歴代最強の金メダリストとも言われており、イギリスではサーの称号も授与されている国民的スターだ。
さらにランドローバー・BARはチームの本拠地がポーツマスにあり、まさにホームポートでの戦いとなる。セーリング競技ではレース海面の風向や潮流などのクセが分かっているほうが断然有利。1年前の大会でもランドローバー・BARが優勝しており、今大会でも優勝候補の筆頭に挙げられていた。