GS第2戦に日本から史上最多4チームが参戦へ “戦国”女子カーリング界で各チームの狙いは?
アルゴグラフィックス杯では予選で中部電力とフォルティウスを、決勝ではロコ・ソラーレをそれぞれ退けての初優勝を果たした。左から伊藤彩未、仁平美来、田畑百葉、山本冴、中島未琴。 【(C)北海道カーリングツアー】
今大会、日本から出場するのはロコ・ソラーレをはじめ、北海道銀行(Tabata)、フォルティウス(Yoshimura)、中部電力(Kitazawa)の4チームだ。
2021年10月には同じくグランドスラムタイトル「マスターズ」にロコ・ソラーレ、北海道銀行フォルティウス(Yoshimura/当時)、富士急(Koana)の3チームと、男子からコンサドーレ(Matsumura)の4チームが出場したことがあるが、女子のみの4チーム同時出場は史上初。カナダ以外の国からの4チーム同時出場も極めて珍しく、アジアでは初の快挙となる。
田畑百葉「タフな試合ばかりだけれど、まずは自分たちのやるべきことを」
夏の北海道ツアーでは稚内みどりチャレンジカップ3位、アドヴィックスカップでは5位、アルゴグラフィックスカップではロコ・ソラーレとの決勝戦を制して優勝。好成績を残した。
さらにカナダに渡航した翌週のサヴィルシュートアウトでも、再びロコ・ソラーレを破って連続優勝。今季2勝は日本勢最多で世界ランキングも13位まで跳ね上がってのグランドスラム初出場。好調の要因をスキップの田畑百葉に聞くと、準優勝で終わった日本選手権決勝が起点だと話す。
「チーム全員が悔しさを忘れずにシーズンを過ごし、チームショットを決めるために、ショットごとにコミュニケーションの振り返りをしたり、より良くできるところはないかと改善策を常にみんなで考えることができています」
チーム・キャリー(Carey/カナダ)、チーム・キム(Kim/韓国)、チーム・エイナーソン(Einarson/カナダ)と格上との対戦が続くが「長年、トップで(カーリング界を)引っ張っているチームと対戦できるのは本当に嬉しい。タフな試合が予想されますが、相手チームではなくまずは自分たちがやるべきことに集中し点を重ねていきたい」と田畑。臆さず、初の大舞台に挑む。
吉村紗也香「オフェンスへのブレない意識を持ちながら戦う」
アドヴィックス杯は準決勝でロコ・ソラーレ、決勝では中部電力から白星。5連勝で優勝し北海道ツアー通算5勝目を挙げた。左から近江谷杏菜、小野寺佳歩、小谷優奈、吉村紗也香、小林未奈。 【(C)北海道カーリングツアー】
北海道ツアーの稚内みどりチャレンジカップは準優勝に終わったが、アドヴィックスカップで優勝。カナダに渡ってからはなかなか勝ち星を拾えない大会もあったが、10月上旬のグランドスラム初戦「ツアーチャレンジ」Tier2ではファイナルに残るなど、「アイスに対してのアジャスト、ショットメイクなどが作戦に追いついてきた」とスキップの吉村紗也香は手応えを得ている。
「苦しい時間もあったけれど、今季チームとして意識している後攻でしっかり2点を取る、オフェンスへの強い姿勢はブレずに見せることができていて、(ツアーチャレンジTier2準優勝が)ひとつの自信になった。あとはプレーオフに上がって負けたら終わり、落とせない、というところでの勝利にこだわっていきたい」(吉村)
日本勢4チーム同時出場に関しては「嬉しいですし、すごいことですね」と笑顔で語った上で、「スラム2大会(次戦11月26日開幕の「ナショナル」を含む)で日本のチームと、しかもアリーナアイスで戦えるのは日本選手権に向けての良い準備になると思います」と来年2年に横浜BUNTAIのアリーナで開催される日本選手権も見据えたコメントを残した。北海道銀行とフォルティウスはラウンドロビン(予選)最終日に対戦する。