苦しい台所事情が予測されるヤクルト 巻き返しに向け、若手の躍進に期待
昨年は5位に終わったヤクルト。再度の飛躍に向け、複数ポジションに挑戦している内山など、若手の成長が不可欠だ 【写真は共同】
今回、評価に活用した2つの指標(wRAA、RSAA)は、スポーツナビがプロ野球の週間MVPを選出する企画でも活用しており、指標の解説を以下リンクから確認できる。
※本文は2024年3月17日時点の情報をもとに執筆。
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チーム最大の弱点である先発陣。故障者の復帰なしでは厳しい建て直し…
ヤクルト投手:2023年得点貢献度 【データスタジアム株式会社】
そうした中、2021年からのリーグ2連覇に貢献した高橋奎二の復調が求められるところ。昨季は防御率4.60と不振だったが、その要因は過去のシーズンと比較して、自慢のストレートの球威が低下していたところにある。今季は本来の直球を取り戻せるかが復活のカギを握る。次に、2年目を迎える吉村貢司郎にも期待がかかる。ルーキーイヤーの昨季は4勝にとどまったが、ここまでの対外試合で17イニングを投げて3失点、15奪三振2四球と優れたピッチングを続けている。このほか14試合に先発して防御率3.05を記録した小澤怜史や、通算185勝の大ベテラン・石川雅規、ロドリゲスとヤフーレの両助っ人、社会人出身ルーキーの松本健吾などの候補が挙がるが、長いイニングを任せられる投手が非常に少ないのが現状である。
固定されつつあるブルペン陣と成長を見せる移籍組
クローザーとして定着した田口ら、移籍組がヤクルトのブルペン陣を支えている 【写真は共同】
昨季はオールスター以降の後半戦では、リーグ2位の救援防御率を記録するなど、着実にブルペンの選手層は厚くなっている。一方で、試合後半のリードを守るために優れた投手をブルペンで待機させても、先発投手が相手にリードを渡してしまっては勝利から遠ざかってしまう。先発投手の穴があまりに大きすぎるため、リリーフから先発への配置転換、オープナーやブルペンデーといった采配を積極的に検討したい選手構成といえるだろう。