2024年プロ野球・12球団戦力ランキング

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 いよいよ2024年のペナントレースが開幕、それを前に今季のセ・パ12球団の戦力を数値化。「打力」(30点満点)、「機動力」(10点満点)、「投手力」(30点満点)、「守備力」(10点満点)、「選手層」(10点満点)、「経験」(10点満点)、の6項目に分けて評価した。“混セ”&“熱パ”の長く険しい戦いを制するための「戦力」が整っている球団は、果たしてどこだ!?

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解説

オープン戦不振も戦力値はトップの岡田阪神

昨季の日本一の岡田阪神は、大きな自信を得た。戦力充実。年齢的にも若い選手が多く、まだまだ成長できる【写真は共同】

 新シーズン開幕を前にした戦力値計算で総合1位になったのは、昨季日本一の阪神だ。投手力が12球団トップの「29」となり、打力は「25」。守備力は「5」の評価だが、選手層と経験値でカバーし、合計「83」で2位に3ポイント差を付けての断トツのトップとなった。

 チームの強みは、やはり投手力だ。村上頌樹、大竹耕太郎、伊藤将司の2ケタトリオに加えて、開幕投手に指名されている青柳晃洋が今季は順調な仕上がり。ここに西勇輝、才木浩人、さらに高卒2年目左腕の門別啓人がブレイク候補として頭角を現しつつある。救援陣では、湯浅京己の状態が心配だが、新外国人のゲラの評判が上々で2軍にも“使える投手”を多く抱えている。一方、打力は“伸びしろ”を多く残す。近本光司、大山悠輔の2人ですらまだ29歳で、佐藤輝明が25歳、森下翔太は23歳。20歳の前川右京も控えており、その前川の定位置争いのライバルとなるノイジーも来日2年目の飛躍が期待できる。日本一にして、まだチームが成長過程である点が強みであり、その若さと岡田彰布監督の経験がうまくミックスされている。

 オープン戦9連敗スタートと相変わらずの失策の多さは気になるが、昨季から主力の大きな流出もなく、戦力値は間違いなく12球団トップだ。

パ・リーグの“2強”が同ポイントで並ぶ

エース・山本由伸が抜けたオリックスだが、山下舜平大など若手の成長が著しく、依然として高い戦力値を誇っている【写真は共同】

 合計2位には、パ・リーグ三連覇中のオリックスと、今季こそのV奪回を誓うソフトバンクが合計「80」で並んだ。

 オリックスは3年連続投手4冠のエース・山本由伸と貴重な先発左腕だった山﨑福也が抜けて投手力が低下することは間違いないが、それでも山下舜平大が凄みを増し、宮城大弥、山岡泰輔、田嶋大樹、東晃平と揃い、2年目の曽谷龍平も飛躍の気配を漂わせている。救援陣は山﨑颯一郎、宇田川優希の2人が出遅れているが、小木田敦也、阿部翔太、平野佳寿も含めて依然として人材豊富で、新たに加わったマチャドがオープン戦で好投を続けて評価うなぎ上り。依然として投手力「27」は優れており、阪神同様に野手陣は22歳の紅林弘太郎を筆頭に成長が見込まれ、新たにFAで加わった西川龍馬の存在も心強い。成長の余地を残した打力「25」だ。チームとして経験も積んでおり、戦力値は高い。

 ソフトバンクは、打力「29」が12球団トップタイの数値となった。柳田悠岐、近藤健介、栗原陵矢、中村晃といった実績十分の実力者たちに本塁打王に過去3度輝いた大砲、山川穂高が加わった打線は、対戦相手からすると非常に脅威だ。山川のブランクが懸念だったが、オープン戦では絶好調で開幕後も期待できる。一方、投手力はまだ千賀滉大の穴を埋められておらず、43歳の和田毅のオープン戦での不振も気になるところで「23」と低めの評価。ただ、小久保裕紀監督がいい意味で“新任感”がなく、選手層「8」、経験値「7」の評価。チーム全体の高齢化は改善すべきだが、戦力値は間違いなく高い。

虎のしっぽを捕まえたい巨人&DeNA

阿部新監督の下で新たなスタートを切る巨人。打力は高い。投手陣を整備できるかどうか【写真は共同】

 続いてセ・リーグの2球団、巨人とDeNAが合計「73」で追う形となった。

 阿部慎之助新監督の下で「新風」を掲げる巨人は、昨季12球団リーグトップの打率.252&164本塁打を誇った。その数字を勝利に結び付けられなかった点が大きな課題であるが、打力は「26」の高評価だ。だが、投手力が戸郷翔征と山﨑伊織の2人に菅野智之もまだ勝てるはずだが、まだ枚数が足りない。そして昨季12球団ワーストの救援防御率3.81だったリリーフ陣では、西舘勇陽、又木鉄平の新人の活躍に期待が高まるが、抑えの大勢の復調具合も含めて未知数で「22」止まり。阿部監督のチームマネジメント力と若手の飛躍に期待したい。

 対するDeNAは、打力「29」がソフトバンクと並んで12球団トップタイの数値となった。その根拠が、牧秀悟、宮﨑敏郎、佐野恵太、オースティンに加えて、ドラフト1位ルーキーの度会隆輝とオープン戦絶好調のドラフト4位ルーキーの石上泰輝への期待感だ。昨季12球団最少の33盗塁に終わった課題の機動力も、彼ら2人の加入と石井琢朗コーチの指導で改善中。しかし、投手力が「20」の低評価。長年エースとしてチームの支柱だった今永昇太のメジャー移籍とトレバー・バウアーの退団は、やはり痛い。新外国人のジャクソンがどこまで働けるか。この投手力の数値を上げることが、打倒・阪神への近道だ。

僅差のパ・リーグ3球団

パ・リーグ各球団の戦力値に大きな差はない。ロッテは佐々木がシーズンフル回転することが上位進出の条件だ【写真は共同】

 そして全体の6位が合計「70」の楽天とロッテ、それに西武が「69」で続いた。
 
 楽天は、昨季12球団トップの102盗塁を記録した機動力が「9」の評価で、浅村栄斗が健在の打力も「23」と悪くないが、世代交代の間である先発陣投手への不安と守護神・松井裕樹が抜けた投手力が「21」と伸びなかった。ベテランの経験値は頼りになるが、今江敏晃監督初采配のシーズンで経験値「6」と強みにならず。若手の台頭で戦力値を伸ばせるか。

 ロッテは佐々木朗希に小島和哉、種市篤暉の先発三本柱が強力で投手力「25」となったが、昨季低打率に悩んだ打力が「21」の評価。ソトが加わったとは言え、藤原恭太が長期離脱。各ポジションで複数の選手の起用が考えられ、チーム内競争は激しくなって来たが、優勝争いをするためには、まだ物足りない。就任1年目から結果(2位)を残した吉井理人監督の采配で、どこまでカバーできるか。

 同じく松井稼頭央監督2年目の西武も打線が課題で、打力「19」の低評価。だが、髙橋光成、今井達也、平良海馬、隅田知一郎、松本航に、即戦力左腕・武内夏暉の先発陣を擁して投手力「27」の高評価。機動力と守備力も悪くない。打線の中軸に座る予定のアギラー、コルデロの新外国人コンビが、現時点では数値に反映し切れていないが、この2人が爆発すれば一気に戦力値はアップする。

下位評価から旋風を起こす可能性は?

戦力値最下位となった日本ハムだが、昨季からは確実に底上げできている【写真は共同】

 戦力値で合計「69」で並んだのが、ヤクルトと中日の2球団。そして広島と日本ハムが「68」で続いた。

 ヤクルトの強みは、村上宗隆、山田哲人、塩見泰隆に、信頼度の高いサンタナ、オスナの助っ人コンビが加わる強力打線で、打力「27」の高評価だ。しかし、投手陣が先発、リリーフともに不安を抱えており、「19」の低評価。レギュラー陣には優勝経験者が揃うが、それは同時に若手の台頭不足だとも言える。早くも怪我人続出で選手層の薄さも気になるところだ。

 2年連続最下位からの巻き返しを誓う立浪和義監督3年目の中日は、小笠慎之介、柳裕也、髙橋宏斗、涌井秀章に大野雄大が復活する先発陣に、絶対的守護神投マルティネスを擁する投手陣は非常に充実しており、投手力「27」の評価。一方、打力は「21」の評価。新たに加わった中田翔、ディカーソンに、オープン戦好調の三好大倫、新人の辻本倫太郎らが打線を活性化できるか。

 昨季2位と“予想以上”の戦いを演じた広島は、森下暢仁、床田寛樹、九里亜蓮、大瀬良大地に新人・常廣羽也斗も控える投手陣への評価は「24」の数値。しかし、西川龍馬が抜け、助っ人陣も調子が上がっていない打線が不安で打力「20」となり、守備力にも不安を抱える。オープン戦絶好調の小園海斗の存在は朗報。新井貴浩監督の下で一致団結し、再び“戦力値以上”の戦いを演じたい。

 日本ハムは、投手力「22」、打力「23」と、ともに数値が伸び切らなかった。だが、上沢直之が抜けた穴は、山﨑福也とバーヘイゲンで埋まるはずで、若手が成長中の打線の軸として新加入のレイエスが爆発すれば、数値も変化する。現状、評価としては最も低くなったが、昨季開幕時と比べると投打ともに底上げされており、他球団との差もない。昨季12球団ワーストの94失策の守備を鍛え、オープン戦好調をシーズン開幕ダッシュへと繋ぐことができるか。“旋風”を巻き起こすことは可能だ。

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