データで見る12球団の若手有望株セ・リーグ編 今季飛躍が期待される逸材をチェック!
昨シーズンから投手に専念し、経験を重ねている根尾。制球の改善が今後の飛躍への鍵となりそうだ 【写真は共同】
※本文は2024年2月6日時点の情報をもとに執筆
※選手年齢は2024年12月31日時点
※表中の平均球速はストレートの球速、および単位はkm/h
中日はブライト健太にブレークの兆しが
中日:2023年二軍投手成績 【データスタジアム株式会社】
その根尾よりも開幕ローテーションに近い位置にいるのが仲地礼亜だ。プロ1年目は二軍のデビューから2試合で13失点を喫してスタートにつまずいたものの、以降の登板は7戦で防御率1.70を記録。年間成績の見栄えは決して良くはないが、二軍では格の違いを示しており、後半戦から一軍のローテーションに定着したこともうなずける。育成選手の松木平優太も8月以降は防御率1.36と成長を見せた1人だ。今春のキャンプでは一軍メンバー入りを果たし、首脳陣の期待の高さを感じさせる。一方で課題としては、平均球速が二軍の平均値に届いていない点だ。松木平と同期で昨季は一軍でも13試合に登板したサウスポーの上田洸太朗を含め、今季はそのスピードが向上するかを注視していきたい。
中日:2023年二軍野手成績 【データスタジアム株式会社】
そのブライトに並ぶ7本塁打を記録した鵜飼航丞は、オフに台湾で行われたウインターリーグでも全選手トップの4本塁打を放つなど、若手野手の中でも屈指の長打力を示している。ブライトとは対象的に、積極的にスイングをしかけるタイプのため、ひと振りで仕留める確実性を高めていきたい。内野手では、右肩のケガでシーズンの大半を欠場した田中幹也が今季から本格的に復帰する見込み。昨季はオープン戦で好成績を残しており、二遊間のレギュラー争いで注目したい選手である。
苦しい投手陣の中で台頭の期待がかかるのは…
ヤクルト:2023年二軍投手成績 【データスタジアム株式会社】
昨季7月にDeNAからトレードで加入した阪口皓亮は、剛速球を武器に奪三振が多いのが特徴。一軍でも13試合に登板して奪三振率9.37を記録しており、今季は年間を通した活躍が期待されるリリーバーである。2022年のオフに巨人から加入した沼田翔平は、9月に4試合に先発して防御率2.74を記録すると、秋季教育リーグと台湾でのウインターリーグでも先発として安定した投球を続けた。今春のキャンプでは一軍メンバー入りを果たすなど、成長著しい育成右腕である。このほか将来的に期待されるのが、左腕からキレのあるボールを投じる坂本拓己だ。高卒1年目の昨季は防御率1.76を記録したものの、奪三振率などの投球内容は平均レベルには届いていない。今季は二軍でより多くの経験を積んで、ステップアップを図りたいところだ。
ヤクルト:2023年二軍野手成績 【データスタジアム株式会社】
このほか、チームには右打者に期待の若手が多い。澤井と同期入団の北村恵吾は、二軍でチーム2位の10本塁打を記録。一軍ではプロ初アーチをグランドスラムで飾るなど、今後に期待を抱かせるルーキーイヤーとなった。高卒3年目の小森航大郎は、故障の影響で昨季49試合の出場にとどまるも3本塁打を記録するパンチ力を披露。スケールの大きさは魅力だが、ショートの守備指標ではリーグ平均を大幅に下回っており、一軍デビューに向けてより一層のレベルアップが求められるところだ。最後に、ソフトバンクから移籍してきた増田珠を取り上げる。ボールを慎重に選ぶ打撃スタイルで、ウエスタン・リーグでは最上位の四球割合を記録。打率こそ.250にとどまるも、出塁率.374をマークした。また、内野手登録でありながら昨季はライトの守備指標でリーグトップを記録するなど、ユーティリティー性も強みとしている。