プロ野球・スポーツナビ週間MVP 指標となる「wRAA」「RSAA」を説明
得点価値とは
【データおよび画像提供:データスタジアム】
投手の場合は、各プレーが平均的にそれだけの確率でアウトになるかの計算も行う。これにより、味方の守備力の影響を受けずに、投球内容から見込まれるアウト数が求められる。例を挙げると、2022年のNPBにおける外野フライ打球のアウト確率は70.6%である。
こうして算出した得点価値やアウト確率を実際の成績に掛け合わせていくことで、「リーグの平均的な選手と比べてどれだけ得点を増減させたか」を求めることができる。なお、打者は単打・二塁打・三塁打・本塁打・四球・死球・失策出塁、投手は本塁打・四球・死球・三振・ゴロ・内野フライ・外野フライ・ライナーを対象に計算している。
注意点
RSAAとwRAAは、ともに点差や走者状況などのシチュエーションは考慮しない指標である。各プレーの得点価値は、あくまで「そのプレーで増減した得点期待値の平均」を画一的に適用しているため、起死回生の逆転サヨナラ満塁本塁打であっても、10点リードからのソロ本塁打であっても、得点価値は等しく1.40(2022年NPB)である。同様に、1-0のしびれる投手戦を制した完封勝利も、10-0の大差がついた試合での完封勝利も、投球内容が同一であれば評価は等しくなる。
そのため、殊勲打の多さや緊迫した場面での投球などは評価できないが、そもそもそういったシチュエーションで出番が回ってくるかは、チーム状況や巡り合わせに大きく左右される。2023年の週間MVPランキングでは、選手にはコントロールできない要素よりも、プレー内容そのものを評価するために、これらの指標を採用している。
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