【厳選!箱根予選会の注目選手たち】日本人学生屈指の実力者と1年生の“史上最強留学生”に刮目せよ
第100回箱根駅伝予選会の号砲が、明日10月14日に鳴る(写真は第99回箱根駅伝予選会) 【写真は共同】
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日本人学生随一の実力者・吉田礼志
6月の全日本大学駅伝関東地区選考会では、各校のエースが集う最終組で快調にレースを進めながら、終盤に脱水症状に陥って、数回トラックの内側に入ったことによる「失格」となったが、8月に中国・成都で行われたワールドユニバーシティゲームズでは、ハーフマラソンで日本人最上位の4位に入っている。
今年8月に中国・成都で行われたワールドユニバーシティゲームズ。男子ハーフマラソン6位の篠原倖太朗(写真左)と、4位の吉田礼志 【写真:アフロ】
古豪明治の駅伝男・森下翔太
東海大は花岡寿哉(2年)が石原の代わりにチームを引っ張ることになりそうだ。昨年度は全日本大学駅伝(1区7位)、箱根駅伝(3区6位)と2つの学生駅伝を経験。今季は5月の関東インカレ1部10000mで自己ベストを更新(28分15秒65)。日本人トップの2位と躍進した。6月の全日本選考会では最終組を任され、堅実な走りを見せた。2年生ながら石原に次ぐ準エース級の存在となっている花岡。唯一の不安材料は個人でのハーフマラソン出場経験がないことか。
前々回はトップ通過、前回は2位と、予選会で上位通過を果たしている明治大。エースの児玉真輝(4年)は前々回17位、前回11位といずれも好走しており、今回も上位候補だ。
同じく4年の杉彩文海は今年の箱根駅伝で7区区間賞を獲得。関東インカレ1部ハーフマラソンでも4位に入っており、今回のレースは得意な距離だ。
10000mで児玉に次ぐチーム2位の記録(28分24秒84)を持っている森下翔太(2年)は、今年の箱根駅伝3区で区間4位。6人抜きの快走で、次世代のエース候補と目されている。広島・世羅高時代から「駅伝力」の高さには定評があったが、今回のレースで覚醒することはできるか。
明治大の森下翔太は世羅高時代にエースとして活躍。3年時には1区で区間賞にも輝いた 【写真は共同】
東京農業大のスーパールーキー・前田和摩
スーパールーキーの呼び声高い前田和摩(1年)は、昨年のインターハイ5000m4位(日本人1位)の実力を、大学入学直後からいかんなく発揮している。5月の関東インカレ2部5000mで4位に入ると、6月の全日本選考会の最終組では、留学生が形成した先頭集団に日本人選手としてただ1人食らいつき、U20(20歳以下)日本歴代2位の28分03秒51をマークして3位と快走を見せた。
ハーフマラソンへの適正は未知数だが、トラックシーズンの勢いは他を圧倒している。思い切りの良いレース展開も武器で、今大会では留学生を相手にどのような走りを見せるか、注目だ。1年生で日本人学生トップとなれば、2020年の三浦龍司(順天堂大)以来。今や世界に羽ばたくランナーと同じ足跡をたどれるか。
過去3年間、チームトップでゴールしているのが高槻芳照(4年)だ。高槻の10000mの自己ベスト28分11秒99は、今大会にエントリーした日本人選手の中で、中央学院大の吉田、後輩の前田に次ぐ記録。前回の予選会は12位と、あと一歩に迫っているトップ10入りを果たすことができれば、日本人学生トップが視野に入ってくるだろう。
高槻に次いで、3年連続チーム2位の並木寧音(4年)も上位候補。3月に行われた日本学生ハーフマラソンでは4位と健闘するも、ワールドユニバーシティゲームズ代表の座をあと一歩のところで逃した。高槻と並木は関東学生連合のメンバーとして箱根駅伝を経験しており、最後の年に母校の名が刻まれたたすきをかけて箱根路を走りたい思いは、人一倍だろう。