王道の戦略から脱却して箱根予選会突破 大志田秀次・前東京国際大監督が編み出した、常識破りの攻略法とは
第96回大会の予選会でトップ通過を決めた東京国際大の選手たち 【写真は共同】
予選会は選手の変化を実感できる場
はい。大学時代に3回走っています。私が1年生のときが、中央大が初めて予選会に回った年でした。当時は本戦出場校が全体で15校(シード校9校+予選会から6校)の時代でしたが、中央大は予選会を通過できない戦力ではなかったので、メンバーに入ることができれば箱根駅伝が近付くと思って一生懸命やっていました。特に私は中距離出身だったので必死でしたね。
中央大は私が4年生のときから28年連続でシード権を守っていたので、中央大でコーチをやっていたときは予選会を経験していません。
――大志田さんは東京国際大駅伝部の創部時から監督を務め、創部5年目で箱根駅伝初出場に導きました。ゼロからの出発で、選手たちにはどのような意識付けを行ったのでしょうか?
そもそも予選会自体、誰も知らない状態でのチャレンジだったので、学生たちにはどうすればそこを突破できるか、レクチャーするところから始めました。ただ漠然と(本戦に出場できる)10位以内に入ろうと言っても難しかったので、まずは目標となる基準を設けることが必要。そこで、前年の予選会、10番目で突破したチームの平均タイムをチーム目標にしました。
――初出場への手応えを掴んだのはいつ頃ですか?
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