2年の時を経てつかんだワールドカップの出場権 U-20日本代表・北野颯太が抱いていた知られざる想い
特別な想いを持って挑んだ今大会。北野にとってワールドカップ出場は悲願だった 【Photo by Zhizhao Wu/Getty Images】
試合後、スタッフと選手たちは歓喜に沸いた。もちろん、戦いはまだ終わっていない。アジアNo1の座をつかむミッションも残っている。しかし、この時ばかりは選手たちから笑顔が弾けた。出場決定の集合写真をピッチ内で撮影し、その後はその脇でそれぞれ記念撮影を行うなか、ワールドカップ出場決定の喜びを誰よりも噛みしめていた選手がいる。C大阪でプレーするFW北野颯太だ。
早くから将来を嘱望されていた男を突然襲った悲劇
「改めて色んな人に感謝をしないといけない」 試合後に発した北野の言葉にはいろんな想いが詰まっていた。
クラブで様々な人にお世話になった。高校2年次の春にはSBで試され、サッカーを辞めたいと思うほど悩んだ時期もある。「セレッソでそういうこともあった」と今では懐かしそうに笑うが、アタッカーとしてずっと生きてきた当時の北野からすれば、当時の落胆は想像にたやすい。それでも、多くの人のサポートを受けて努力を重ね、再び前線で起用されるまでに成長を遂げた。
代表活動でも悔しい想いを味わっていたが、ここから予想もできない出来事が起こっていく。