日本一高いハードルを越えていけ 脇坂泰斗が川崎フロンターレで抱いた決意
脇坂は2023年で在籍6シーズン目を迎えている 【(C)川崎フロンターレ 】
FC東京から、FW大久保嘉人が2シーズンぶりに復帰を果たした。さらに、横浜F・マリノスからはMF齋藤学、鹿島アントラーズからはFW赤﨑秀平が加入した。湘南ベルマーレからは下田北斗、モンテディオ山形から鈴木雄斗、さらに脇坂の同世代では、流通経済大学から守田英正が加わった。
改めてその顔ぶれを見た新体制発表会見では「一から頑張ろう」と身が引き締まった。
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ただし、プロ1年目の2018年は、リーグ戦の出場がゼロに終わった。「このままでは試合に出るのは難しいな」とも感じていた。
「体力的にもフィジカル的にも自分は足りていないと実感していました」
同期の守田が開幕戦から途中出場を果たすなど、着実に存在感を示していたため、はやる気持ちもあった。そんななかで、脇坂は決意した。
「このまま続けていても、きっとなにも変わらない。目の前の試合に出場することを目指すのは、一度やめよう」
脇坂が目を向けたのは、自分に足りないと感じている部分だった。選手は往々にして、試合前日は翌日の試合を考慮して、トレーニングの負荷を下げる傾向にある。だが、自分は試合のメンバーに選ばれる選手ではないと、冷静に省みた脇坂は、試合前日であっても、フィジカルトレーニングを行い、身体を強化した。日々の練習後も、残って筋力トレーニングに励み、欠点や弱点の克服に努めた。もちろん、日本一になったチームでも通用する技術をさらに高めつつ……。
そうした取り組みにより、自身の身体に変化を感じるようになったのは、夏を過ぎてからだった。苦手だと感じていた“強さ”が身についたことで、練習試合では得点、アシストと目に見える結果を残せるようになったのだ。
練習試合をよく見てくれていた強化本部長の庄子からも声をかけられた。
「泰斗は、(練習場のある)麻生の得点王だな」
練習でも、シーズン当初とは違った感覚を得ることができていた。今度はそれを実践の場=公式戦で試すだけだった。
期限付き移籍の提案に首を横に振る
そのころのインタビューで脇坂が語ってくれた言葉は、今も強烈に脳裏に刻まれている。
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