W杯・日本代表のコスタリカ対策 サイド攻撃+ミドルで堅固なブロックを打ち砕け!

清水英斗
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強固なコスタリカの守備を崩して、いかにゴールを奪うか。分厚いブロックの後ろには世界的GKナバスが立ちはだかる 【Getty Images】

 日本サッカー界がまだ見ぬW杯ベスト8以上を目指す森保ジャパンの戦いがいよいよ始まる。そこで戦術分析に定評のあるサッカーライターの清水英斗氏に日本の対戦国を分析してもらった。第2回は11月27日の2戦目の相手・コスタリカ。相手のカウンターを封じながら、固い守備ブロックをこじ開けるためには日本はどう戦うべきなのか。サイド攻撃+ミドルシュートが大きなポイントになりそうだが、森保ジャパンの定番の戦略を覆す手法も一考に値するだろう。

初戦の結果に関係なく勝ち点3が絶対に必要

 絶対に勝たなければならない戦いが、そこにはある。

 カタールW杯グループステージE組の第2戦、日本対コスタリカは、「負けられない試合」ではなく、「勝たなければならない試合」だ。

 現行のW杯グループステージにおける勝ち点のボーダーラインは、統計的に4点とされている。勝ち点4を取った上で、突破と敗退はフィフティ・フィフティ。3引き分けではボーダーラインにたどり着かないので、ドイツ、コスタリカ、スペインのいずれかから勝ち点3を奪う必要がある。

 いずれかとは……まあ、コスタリカだろう。「甘く見るな」と言われても、他の2チームがこのありさまではコスタリカを選ぶしかない。

 あるいは仮に日本が初戦でドイツに勝てば、2戦目は引き分けでもOK、となる流れは考えられるかもしれない。たとえば日本がドイツに勝ち、さらにスペインがコスタリカとドイツに2連勝したケースだ。この場合は日本対コスタリカが引き分けなら、ドイツのステージ敗退が決まるので、引き分けでもオーライ。通常なら、そういう勝ち点勘定はあり得る。

 ところが今回、2戦目は日本とコスタリカが先のキックオフである。これが地味に痛い。現地時間で27日の13時に、日本対コスタリカが行われた後、22時にスペイン対ドイツがキックオフとなる。つまり前述した、「ドイツが2連敗したから、2戦目は引き分けでもOK」のような計算は成り立たないわけだ。

 そんな皮算用に頼れば、ドイツがスペインに勝ち、日本が勝ち点4、ドイツ3、スペイン3、コスタリカ1で第3戦を迎えるかもしれない。このケースは見かけ上は日本が首位だが、最後の対戦カードを踏まえれば、砂上の楼閣に等しい。ああ、こんな状況に苦しむくらいなら、コスタリカ戦でもっと勝負をかければ良かった……と後悔することは避けたい。

 実際のところ、日本対コスタリカが引き分けならば、スペインとドイツを楽にするだけ。初戦で日本がドイツに勝とうが負けようが引き分けようが、第2戦では勝ち点3をもぎ取り、2つの強豪にプレッシャーを突きつけなければならない。

 つまり、コスタリカ戦は「絶対に勝たなければならない戦い」。Eはそういう組である。
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著者プロフィール

1979年12月1日生まれ、岐阜県下呂市出身。プレーヤー目線で試合の深みを切り取るサッカーライター。著書は「欧州サッカー 名将の戦術事典」「サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術」「サッカー観戦力 プロでも見落とすワンランク上の視点」など。現在も週に1回はボールを蹴っており、海外取材では現地の人たちとサッカーを通じて触れ合うのが楽しみとなっている。

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