可視化して振り返る2021年ドラフト会議 戦力の「穴」を埋められた球団は?

ベースボール・タイムズ
 2021年のプロ野球ドラフト会議が10月11日に行われ、支配下で計77名(育成は51名)が指名された。2年連続のリモート開催、例年よりも早い実施となった中、各球団が抱えていた“穴”は果たして埋まったのか。12球団の現有戦力を年齢層別に「右投手」、「左投手」、「捕手」、「内野手」、「外野手」のポジションに分け、その指名が的確だったのかを振り返り、評価したい。

(注)在籍選手は2021年10月11日現在で引退表明選手および育成選手、外国人枠の選手を除く。選手の年齢は2022年4月1日時点で分布。

DeNA:小園&大学生右腕2人で課題の投手陣を整備!外野&捕手は…

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 高校ビッグ3の筆頭格である小園健太(市和歌山高)を抽選で引き当てた後、高校時代から実績のある徳山壮磨(早稲田大)、三浦銀二(法政大)の大学生という未来のエース候補と即戦力投手2人を指名。チーム内には左腕が多く揃(そろ)い、若手右腕が“穴”だっただけに、納得の指名と言えるだろう。

 加えて、3位で指名した大型ショートの粟飯原龍之介(東京学館高)はチーム内の若手の競争力をアップさせるもの。外野手不足は強打自慢の梶原昂希(神奈川大)で補った(育成でも外野手2人を指名)。だが、できれば高校生外野手が欲しかったところで、捕手に関しても育成で高校生を指名したが、支配下での指名はゼロ。「1位・小園」で成功のドラフトだろうが、捕手を含めて“完璧”なドラフトではなかったと言える。

日本ハム:高校生5人で“新時代”へ投資!不満は残るが5年後が楽しみ!

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1位でポテンシャル特大の達孝太(天理高)、2位で高校通算70本塁打の右の大砲・有薗直輝(千葉学芸高)を指名。2023年に新球場の開場を控えるチーム主役となるべき次世代のスター候補を上位で確保。4位の阪口樂(岐阜第一高)も素材は上位候補級で、支配下で高校生を5人(育成で3人)と将来へ投資したドラフトとなった。

 支配下で指名した投手5人の内訳は、高校生3人と大学生2人。右投げが3人で左投げが2人。地元出身の高校生左腕を逃したもののバランスの取れたものとなった。だが、野手は4人全員が内野手。「1人2ポジション」のチーム戦略の中で入団後のコンバートは考えられるが、現時点では外野の「穴」が放置されたままだ。魅力的な人材を指名できたが、若干の不満は残った。

中日:上位2人で即戦力外野手!打線強化を狙うも高校生投手は…

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 得点力不足解消のために、1位でブライト健太(上武大)、2位でも鵜飼航丞(駒沢大)と長打力自慢の大学生外野手を連続で指名。3位で剛球左腕の石森大誠(火の国サラマンダーズ)を指名したが、投手1人、野手5人という偏った指名。現チームの課題解解消へ向けた「大砲タイプの即戦力外野手」という狙い通りの指名は叶ったが、あまりにも“極端”だったことが、どう将来に影響するのかは心配な点だ。

 年齢分布の「穴」を見ても、手付かずのまま。高校生捕手と高校生内野手を1人ずつ指名したが、チーム編成的には大学生や社会人で確保しておいた方が良かっただろう。そして何より、高校生投手の指名がゼロだった点は非常に残念。すでに現チーム内には有望な若手野手が多くいるだけに、将来を見据えて投手にももう少し目を配るべきだったのではないか。育成指名がゼロだった点も、やや拍子抜けした。

西武:待望の「先発左腕」に加えて即戦力捕手&高校生左腕も!

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 最大の補強ポイントであった「先発左腕」として、1位で4球団競合の隅田知一郎(西日本工業大)、2位でも世代屈指の左腕・佐藤隼輔(筑波大)を指名。この時点で「合格」だったが、3位で大学No. 1捕手の古賀悠斗(中央大)を指名し、4位でも抜群の将来性を持つ大型左腕・羽田慎之介(八王子高)を確保し、狙い通りの「満点」ドラフトだった。

 この指名はチームの「穴」を的確に埋めるもの。そしてただ“埋める”だけでなく、隅田と佐藤は1年目から1軍での活躍が期待され、古賀は数年後の正捕手、羽田は将来のエース候補と、その“質”が非常に優れている。5位以下で高校生投手と大学生内野手を指名し、育成でも各ポジションに1人ずつの計4人を指名。現時点では間違いなく、今ドラフト12球団トップの指名をしたと言えるだろう。

広島:即戦力左腕の獲得に執念を見せたが、全体的&将来的には…

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 2年連続の“一本釣り”から今年は一転、1位指名で2度の外れクジ。それでも3回連続で大学生左腕を指名し、球威抜群の黒原拓未(関西学院大)を確保。2位でも社会人の森翔平(三菱重工West)と即戦力の左投手を連続で指名し、3位以下でも社会人から外野手2人と右投手1人。高校生は捕手と内野手の2人のみとなった。

 左投手に関してはチームの補強ポイントではあったが、5年後を考える余裕はなく、チームの年齢分布的に足りない19歳から21歳の左投手は育成枠で1人を指名したのみ。高校生捕手は指名できたが、「穴」は埋まっていない。社会人外野手2人は長打力が魅力ではあるが、是非とも指名しておきたかった「鈴木誠也の後継者」としては果たしてどうか。過去2年のドラフトと比べると不満が多く残った指名となった。

ソフトバンク:狙い通りの上位3人!世代トップクラスの逸材を確保!

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 将来のエース候補となる高校生投手として、1位で最速157キロを誇る風間球打(明桜高)の単独指名に成功。さらに2位で大学No. 1スラッガーの正木智也(慶応義塾大)、3位では将来性豊かな高校生左腕・木村大成(北海高)と他球団もマークしていた世代トップクラスの選手を確保。育成で大量14人を指名した一方で、支配下は例年通り5人と絞った形となったが、満足できるドラフトだったと言える。

 チーム編成上でも、高校生の右投手、左投手は、足りない「穴」だった部分であり、正木は外野に加えて一塁手としての起用も可能で1年目から期待したいところ。数年後を見据えた上でも狙い通りの指名でチームの選手層は間違いなくアップした。育成選手の多さは賛否があるが、三軍制を拡大して門戸を広げるという意味では納得だ。

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著者プロフィール

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プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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