プロ野球ドラフト史「全12球団“当たり年”ランキング」

球団史上最高のドラフト・阪神編 重視したのは直近三度の優勝への貢献度

楊枝秀基
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4人のみの獲得となった96年のドラフトだが、そのうち今岡(左から2人目)、関本(右から2人目)、濱中(左)の3人が、リーグ優勝を果たした03年と05年の主要メンバーに 【写真は共同】

 記憶に残る個性的なプレーヤーを数多く輩出してきた阪神タイガースだが、『デイリースポーツ』時代の2005〜10年に番記者を務めた楊枝秀基氏が重視したのは、入団後のチームへの貢献度と記録面。トップ5には、1985年、03年、05年と直近三度のリーグ優勝に尽力した選手たちの獲得年が並ぶ一方で、不滅のシーズン最多奪三振記録を持つ豪腕・江夏豊を手に入れた66年ドラフトも、上位に食い込んだ。

5位 2020年のドラフト

豪快なスイングで開幕からホームランを量産したこの佐藤輝だけでなく、伊藤や中野なども1年目から即戦力として大活躍。記憶に新しい20年ドラフトは豊作だった 【写真は共同】

[指名選手一覧]
1位:佐藤輝明(内野手/近畿大)
2位:伊藤将司(投手/JR東日本)
3位:佐藤蓮(投手/上武大)
4位:榮枝裕貴(捕手/立命館大)
5位:村上頌樹(投手/東洋大)
6位:中野拓夢(内野手/三菱自動車岡崎)
7位:高寺望夢(内野手/上田西高)
8位:石井大智(投手/高知ファイティングドッグス)
育成1位:岩田将貴(投手/九州産業大)


 もっとも記憶に新しいドラフトだ。これが本当に当たり年となるかどうかは、選手たちのこれからの活躍次第だが、期待値も込みでの5位とした。

 1位指名の佐藤輝明はここまで23本塁打(9月24日時点)を放ち、新人のシーズン最多本塁打記録(31本)にチャレンジ中だ。すでに左打者の新人最多本塁打記録を75年ぶりに更新し、田淵幸一が持っていた球団新人記録(22本)も52年ぶりに塗り替えている。後半戦はスランプに苦しんでいるとはいえ、スーパールーキー佐藤輝が放ったインパクトは将来にも語り継がれるだろう。

 2位の伊藤将司も1年目からローテーション入りし、9月1日の中日戦に勝利して7勝目をマーク。新人ではシーズン10勝を挙げた13年の藤浪晋太郎にも迫る活躍ぶりだ。

 さらに、6位の中野拓夢も遊撃のレギュラーに定着。球団史上5人目となる新人での20盗塁超えも達成するなど、激しいV争いを繰り広げるチームの貴重な戦力となっている。

 今季の阪神が16年ぶりのリーグ優勝、そして36年ぶりの日本一を達成すれば、このドラフトの評価はさらに高まるだろう。
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著者プロフィール

1973年生まれ、神戸市出身。関西学院大から98年に『デイリースポーツ』入社。巨人、西武、ヤクルトなどを担当した後、2004年は合併消滅した近鉄、05〜10年は阪神、11年はオリックス番記者を務めた。13年からフリー。東京スポーツコラム「ワッショイ!!スポーツ見聞録」を不定期連載中。

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