プロ野球ドラフト史「全12球団“当たり年”ランキング」

球団史上最高のドラフト・日本ハム編 多くの話題を提供する中で1位はやはり?

熊崎敬
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ダルビッシュ有のおかげで日本ハムは毎年のように優勝争いを繰り広げるように。この大エースを獲得した04年のドラフトは、果たして何位か? 【写真は共同】

 セネタースから東急フライヤーズ、急映、東急、東映、日拓ホーム時代を経て1974年には日本ハムが経営権を獲得。さらに2004年には東京から北の大地に移転した、北海道日本ハムファイターズの史上最高のドラフトは何年か。根っからの日ハムファンで、日ハムに関する書籍も上梓したスポーツライターの熊崎敬氏にベスト5を選出してもらった。

5位 2005年のドラフト

高校生ドラフトでは台湾からの留学生で、福岡第一高の陽岱鋼を1巡目に指名。高校通算39本塁打、50m5秒9と走攻守そろった大型遊撃手(のちに外野手に)の獲得に成功した 【写真は共同】

[大学生・社会人ドラフト指名選手一覧]
希望入団枠:八木智哉(投手/創価大)
1巡目:選択権なし
2巡目:選択権なし
3巡目:川島慶三(野手/九州国際大)
4巡目:武田勝(投手/シダックス)
5巡目:小山桂司(捕手/シダックス)
6巡目:高口隆行(野手/創価大)
7巡目:星野八千穂(投手/JR北海道)
【高校生ドラフト指名選手一覧】
1巡目:陽仲壽(内野手/福岡第一高)
2巡目:選択権なし
3巡目:木下達生(投手/東邦高)
4巡目:今成亮太(捕手/浦和学院高)


 北海道移転2年目に9人を指名し、全員が一軍公式戦出場を果たした。希望入団枠で獲得した八木智哉は開幕から先発ローテに入り、2年目を迎えたダルビッシュ有とともに投手陣をけん引。4月には延長10回を無安打無失点に抑え、継投でのノーヒットノーランを達成。12勝8敗で日本一に貢献し、新人王に輝いた。

 投手陣の屋台骨を長く支えたのが武田勝。1年目から先発、中継ぎとフル回転し、09年から4年連続で二桁勝利を記録。12年までの4度のリーグ制覇に貢献し、最後のシーズンとなった16年には、引退試合で「俺のために日本一になれ!」と絶叫。実際に日本一になって、惜しまれながら引退した。

 改名も行なう長い下積みを経て、外野手として大成した陽岱鋼(ドラフト指名時は陽仲壽)は、当初兄の耀勲がいるソフトバンクへの入団が確実視されていた。ここでも日本ハムは果敢に指名し、交渉権を獲得。結果北海道の人気者になり、台湾人野球ファンの開拓にひと役買った。日本ハム最後のシーズンとなった16年には、ソフトバンクとの大一番で2度にわたる美技を見せ、チームを敗戦の危機から救った。
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著者プロフィール

1971年生まれ、岐阜県出身。サッカー専門誌編集者を経てフリーに。様々な取材で世界各地を渡り歩く日々を送っている。著書に『ゴール裏で日向ぼっこ』『JAPANサッカーに明日はあるか』『日本サッカーはなぜシュートを撃たないのか?』『北海道日本ハムファイターズあるある』、共著に『ブブゼラ!』がある。

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