渡辺久信が2025年パ・リーグの順位を予想 優勝は「昨年ベンチから見て嫌だった」チーム

大利実

長年、西武の役職で活躍してきた渡辺久信氏は、パ・リーグ各球団をどう見ているのか 【撮影:スリーライト】

 投手、監督、GMなど35年間、さまざまな立場で西武を支え続けてきた渡辺久信氏がプロ野球開幕直前にパ・リーグの順位を予想。今年から『文化放送ライオンズナイター』の解説陣に加わる渡辺久信氏は、パ各球団の投打のキーマンたちをどう分析するか。長らく現場を見続けてきた独自の視点で、今年のパ・リーグの順位をズバリ占ってもらった。古巣の西武は果たして何位?(3月17日『文化放送くにまる食堂』出演後に取材)

<渡辺久信氏パ・リーグの順位予想>

1位:北海道日本ハムファイターズ
2位:福岡ソフトバンクホークス
3位:埼玉西武ライオンズ
4位:千葉ロッテマリーンズ
5位:東北楽天ゴールデンイーグルス
6位:オリックスバファローズ

日本ハム優勝のキーマンは清宮&伊藤

オープン戦で結果を残した清宮幸太郎。渡辺氏も今年の活躍に期待している 【写真は共同】

――パ・リーグの優勝予想は日本ハム。

 新庄監督が就任してからの3年間で、着々と戦力が整備されています。若手が多い分、伸びしろもたっぷりとある。昨年、西武の監督代行として戦う中でも、「日本ハムとやるのはイヤだな」というイメージを持っていました。勝負所やチャンスの場面になると、チームがひとつになって向かってくる強さがあります。

――優勝のキーマンは誰になるでしょうか?

 バッターであれば、清宮幸太郎選手ですね。昨年の中盤から後半にかけて、好打者が揃う日本ハムの中でもっとも抑えにくいバッターだと感じました。昨年は規定打席にこそ達していませんが、打率3割をマーク。今まであった“脆さ”が少しずつ消えて、芯でコンタクトする確率が上がってきています。

――ピッチャーのキーマンはいかがでしょうか?

 エース格に成長した伊藤大海投手が、1年間ローテーションを守って、結果を残すことができれば、優勝に近付いていくでしょう。また、開幕投手に指名された3年目の金村尚真投手が、中6日で投げ続けることができるか。開幕からローテに入るのは初めての経験です。先発が安定すれば、おのずと中継ぎ陣にかかる負担が減り、夏場以降も戦えるチームになっていくと思います。

――2位はソフトバンク。

 戦力が充実し、選手層が厚いのは間違いありません。それでも2位予想にしたのは、甲斐拓也選手に代わるキャッチャーに不安が残るためです。「経験」が重要視されるポジションであり、渡邉陸選手ら若くて楽しみなキャッチャーもいますが、ピッチャーとの信頼関係を築いていくには時間が必要になります。

――誰が正捕手を掴むかにも注目ですね。

 そうなります。また、甲斐選手はインサイドワークやスローイングを含めたディフェンス面だけでなく、攻撃面でもとてもイヤな存在でした。配球を読みながら、ある程度割り切って、バットを振ってくる。大事なところで甲斐選手に打たれた記憶がよみがえります。

――昨年は近年ではもっとも高い、打率.256をマークしました。

 キャッチャーでそれだけ打てれば、十分でしょう。あとは攻撃陣で言えば、正木智也選手、柳町達選手といった若手有望株が一本立ちできるか。上位は実績のある選手が並ぶだけに、そこに続くバッターの活躍によって、得点力が変わっていきます。

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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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