プロ野球ドラフト史「全12球団“当たり年”ランキング」

球団史上最高のドラフト・広島編 歴代エースの獲得年が軒並みランクイン

ゴッホ向井ブルー
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96年ドラフトで2位指名を受けた黒田は大エースとなり、広島の選手としては初のメジャーリーガーに。背番号15は球団3人目、投手では唯一の永久欠番だ 【写真は共同】

 過去56回のドラフトで、広島東洋カープが特に大きな成果を上げたのは何年か。地元広島出身で、熱狂的なカープファンとして知られ、チームに関するコラムも担当する芸人のゴッホ向井ブルーにトップ5を選び出してもらった。歴代のエースを指名・獲得した年が上位に並んだが、その中でも「球団史上最高のドラフト」と評価したのは?

5位 2006年のドラフト

高校生ドラフトでは前田(左)の一歩釣りに成功。さらに3巡目では、いまや日本を代表する捕手となった會澤(右)を指名した 【写真は共同】

[大学生・社会人ドラフト指名選手一覧]
希望入団枠:宮崎充登(投手/ホンダ鈴鹿)
1巡目:選択権なし
2巡目:選択権なし
3巡目:上野弘文(投手/トヨタ自動車)
4巡目:青木高広(投手/日産自動車)
5巡目:中東直己(外野手/ホンダ鈴鹿)
[高校生ドラフト指名選手一覧]
1巡目:前田健太(投手/PL学園)
2巡目:選択権なし
3巡目:會澤翼(捕手/水戸短大附高)
[育成ドラフト]
育成1巡目:山中達也(投手/丸亀城西高)


 この年の高校生ドラフトにはのちに黄金世代と呼ばれる面々が揃(そろ)っていた。ハンカチ王子こと早稲田実のエース斎藤佑樹と決勝で投げ合い、夏の甲子園を沸かせた駒大苫小牧のエース田中将大がその代表格。その田中には4球団が入札するなど11球団が1巡目指名で競合するなか、広島は唯一の単独指名となり、PL学園の前田健太を見事一本釣りすることに成功した。

 そして、3巡目では現正捕手の會澤翼を指名。會澤は入団会見に、今では絶滅しているかもしれない短ラン・ボンタンという姿で登場した。のちに同期の前田は当時の會澤のことを「茨城の怖い奴が来たと思った」と語っている。

 ドラ1で入団した前田は、まだ一軍未登板だった2年目にエースナンバーである背番号18を受け継いだ。4年目の2010年には15勝を挙げ、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振と史上最年少で投手三冠のタイトルを総なめにし、沢村賞も受賞した。その後メジャーに移籍してからも活躍を続け、今では「絵心ない芸人」や「YouTuberマエケン」としても活躍の場を広げている。広島のドラフト史上、最高の一本釣りだったのではないだろうか。
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著者プロフィール

広島県大竹市出身の芸人で、地元球団である広島カープの大ファンとして知られる。カープ関連のテレビ番組に多数出演し、コラムも執筆。カープのゲームは毎年数十試合スタジアム観戦し、リーグ3連覇を果たした16〜18年の優勝を決めた試合もすべて現地観戦した。1990年2月22日生まれ。本名は向井浩志(むかい・ひろし)。

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