プロ野球ドラフト史「全12球団“当たり年”ランキング」

球団史上最高のドラフト・西武編 甲乙つけがたい2つの「大成功」

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98年には3球団による抽選の末に、甲子園の大スター松坂を手に入れた。話題性も抜群の超逸材をゲットした時点で、このドラフトの「成功」は約束されたようなものだった 【写真は共同】

 まだ本拠地が福岡にあった西鉄、太平洋、クラウンライター時代を含めて、埼玉西武ライオンズにとっての最高のドラフトは何年のドラフトか? トップ5を選んでくれたのは、朝日新聞の記者として同球団を担当する山口史朗氏だ。順位づけは難しい作業だったが、とりわけ甲乙つけがたい2つの「大成功の年」のどちらを1位にするかで頭を悩ませたという。

5位 1983年のドラフト

1位と2位でのちの中心選手を獲得。渡辺(右)は右のエースとして、辻は守備の要かつ強力打線のつなぎ役として80〜90年代の黄金期を支えた 【写真は共同】

[指名選手一覧]
1位:渡辺久信(投手/前橋工高)
2位:辻発彦(内野手/日本通運)
3位:青山道雄(外野手/プリンスホテル)
4位:川村一明(投手/プリンスホテル)
5位:仲田秀司(捕手/興南高)


 さすがは1980年代以降、長くBクラスに低迷したことがない西武。これまでのドラフトを見ても、毎年のように活躍する選手を指名できている印象で、ベスト5を選ぶのが本当に大変だった。

 1983年はなんといっても1位で渡辺久信、2位で辻発彦という2人を指名できたのが大きい。渡辺は高卒ながら、1年目から15試合に登板。3年目の86年に16勝を挙げると、88年からは3年連続で二桁勝利と、右のエースとしてチームの黄金期を支えた。一方の辻は二塁手としてベストナイン5度、ゴールデングラブ賞を8度も受賞。93年には首位打者も獲得するなど、長距離打者が並ぶ打線でチャンスメイクの役割を果たした。

 この2人に共通するのは、引退後もチームに大きく貢献していること。渡辺は08年に監督として日本一に。現在はGMとして手腕を発揮している。辻も18、19年に監督としてリーグ連覇を達成。「選手」+「指導者」としての功績から、この年を5位に選出させていただいた。
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著者プロフィール

朝日新聞東京本社スポーツ部記者。2005年に朝日新聞入社後は2年半の地方勤務を経て、08年からスポーツ部。以来、主にプロ野球、アマチュア野球を中心に取材をしている。現在は体操担当も兼務。1982年生まれ、富山県高岡市出身。自身も大学まで野球経験あり。ポジションは捕手。

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