プロ野球ドラフト史「全12球団“当たり年”ランキング」

球団史上最高のドラフト・巨人編 未来の四番やエースを獲得した年が上位に

伊藤玄門
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92年ドラフトでは、4球団が競合した超目玉の松井(左から3番目)を当時の長嶋監督(右から3番目)が抽選で引き当てた。甲子園を沸かせたスラッガーは、球界を牽引してきた名門球団で押しも押されもしない四番打者となった 【写真は共同】

 歴史と伝統のある巨人軍は多くのスター選手を生んできた。ドラフト制度導入後も獲得した金の卵を一流選手に育て上げ、彼らが栄光の歴史を築いてきた。日本球界をリードしてきた名門球団にとって、最高のドラフトは何年か。スポーツ紙の記者として巨人を担当する伊藤玄門氏がベスト5を選出。同氏が高く評価したのが、四番打者、エースとしてチームの屋台骨を支えた選手を獲得したドラフトだ。

5位 1985年のドラフト

桑田は1年目こそ2勝に終わったが、2年目から主戦投手として先発陣を支えた。フィールディングも素晴らしく、ゴールデン・グラブ賞は巨人の先輩・西本聖と並ぶ最多タイの8回受賞 【写真は共同】

[指名選手一覧]
1位:桑田真澄(投手/PL学園高)
2位:広田浩章(投手/NTT中国)
3位:渡辺政仁(投手/北陽高)
4位:本原正治(投手/広陵高)
5位:福王昭仁(内野手/明治大)
6位:杉浦守(外野手/愛工大名電高)
[ドラフト外]
松原靖(投手/高崎信用金庫)


 PL学園の“KKコンビ”が主役となったのが、この年のドラフトだ。運命のドラフト――。巨人は早稲田大進学と言われていた桑田真澄を単独指名し、巨人入りを熱望していた清原和博は、6球団の競合の末に西武が交渉権を手に入れた。

 賛否両論あるだろうが、投手陣を強化したかった巨人としてはドラフト戦略が成功した格好だろう。桑田は2年目の1987年に15勝6敗、防御率2.17という抜群の成績を残し、最優秀防御率のタイトルに加えて沢村賞にも輝いた。その後も活躍を続け、背番号18を背負うエースとして君臨。巨人軍の歴史を彩ってきた。打撃やフィールディングにも定評がある、万能の名選手であった。日本では442試合登板、173勝141敗14セーブ、防御率3.55という通算成績を残した。今季は1軍投手チーフコーチ補佐として入閣し、指導者としても期待されている。

 巨人軍の歴史の中でも屈指の名投手を獲得することができたドラフトだった。
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著者プロフィール

1973年3月26日、東京都生まれ。2003年にデイリースポーツ入社。巨人、日本ハム、西武、阪神、ヤクルト、DeNA、ロッテ、NPB、侍ジャパンの担当記者を歴任する。12〜14年の原巨人のリーグ3連覇を取材。ちなみに記者生活で度肝を抜かれたのは、日本ハム・中田翔(現巨人)が1年目の春季キャンプで行ったフリー打撃での超特大の柵越えと、ロッテ・佐々木朗希が1年目の春季キャンプで投じたプロ初ブルペンでの剛速球。入社以来、プロ野球担当ひと筋。現在は巨人担当記者として取材を行っている。

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