野球界の受け皿として機能する独立リーグ NPBとの連携、未来の可能性は?
田澤(写真は昨年12月の自主トレ時のもの)を筆頭に、川崎や西岡の元NPB組らが所属する独立リーグ。その現状と可能性に迫った 【写真は共同】
ただし独立リーグの「実態」は、決して多くを知られているわけではない。月収約10万円という厳しい現実や、“夢をあきらめる場所”など、一部が切り取られているのが実情だろう。
日本で独立リーグと言われる組織は現在、四国アイランドリーグPlus、BCリーグ、関西独立リーグ、今年創設された北海道ベースボールリーグの4つがある。来春には「九州独立リーグ」(仮称)が始まる予定だ。同リーグではソフトバンクの3軍との交流戦が計画されるなど、ちまたで噂されるNPBのエクスパンション(球団拡張)に向けても注目が集まる。
現状、独立リーグは野球界でどんな役割を担い、どのような可能性を秘めているのか。2007年にBCリーグをスタートさせた、村山哲二代表に聞いた。
「ムネリンや西岡を見に来た人が、他の選手のファンになれば」
他のスポーツ団体と同じで、独立リーグも大きな影響を受けました。ただし幸か不幸か、我々のビジネスモデルは興行収入モデルというより、理念共有型のスポンサーモデルです。
前者の場合、入場料収入が事業収益の30〜35%を占めるのが通常です。でも我々は、60%くらいがスポンサー収入。野球事業を通じた地域創生、人材育成に対して投資をいただいている企業が多いので、コロナ禍でもスポンサー収入はそこまで落ちませんでした。当初は何球団かなくなる可能性も危惧しましたが、来季も12球団で運営できるという見込みは立っています。
もちろん、無観客試合などの影響でリーグの収入は2000万円くらい落ちたので、厳しいものはあります。黒字を維持するのがすごく大変です。でも、債務超過になるような状況ではないですね。
――プラスの側面に目を向けると、今年は田澤、川崎、西岡という元メジャーリーガーがBCリーグに加入しました。どんな影響がありますか。
新しいファンが確実に増えています。ファンになるきっかけは、何でもいいと思っているんですね。例えば栃木ゴールデンブレーブスの二遊間には、内山翔太や齋藤尊志という魅力的なドラフト候補がいます。ムネリンや西岡を見に来た人が、齋藤など他の選手のファンになってくれればいいと思っています。
――四国アイランドリーグの馬郡健社長は6月中旬、NPBが今年のドラフトで指名人数を例年より減らす可能性を考慮し、「独立リーグの役割が大きくなる」と話していました。村山代表はどう考えていますか。
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