【野球小説】栄冠は監督にも輝いてほしい 第7回 「応援される野球部」になる理由
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チームは秋の目標を近畿大会出場に置いていた。そのためには大阪で3位以内に入ることが条件。毎年、やるからには……と選抜大会につながる近畿大会出場を目標にしてきたが、今年は本気度が違っていた。はたから見れば、いきなりの大目標に思えただろうが、チームにはチャンスあり、と思える根拠があったからだ。
何より戦力である。野手には夏のレギュラーが4人残り、投手も夏に1試合ずつ投げた2年の技巧派左腕・萩原海斗と1年の大型右腕・白井良が残っていた。夏は3年の関口智也が完璧な投球を見せたため登板が限られた2人だが、この秋の大阪で見れば十分上位の力を持った投手陣だ。大阪共新、志誠社の2強を軸とした戦いは変わらないが、特に投手力がモノをいうのが秋。佐伯も大いに期待を持って臨んだ。
しかし、3回戦までは順当に勝ち上がったが、最後は守りのミスに四球が絡み逆転負け。打線も13残塁とあと1本が出なかった。
改めて一発勝負を勝ち上がる難しさを痛感した戦いの終わりは、佐伯にとって監督1年目のシーズンも区切りとなった。これが10月初旬。高校野球の世界では11月末まで練習試合が可能なため大阪天栄も秋の敗戦以降、約1カ月半は土日に練習試合を行い、平日もシーズン中の延長のような練習が続く。ただ、もう年内の公式戦がない分、練習時の雰囲気は穏やかなものになっていた。
佐伯自身の気持ちという点でもそうだ。4月の監督就任から慌ただしく過ごしてきたが、ここで一息。そうなると、佐伯の中では、監督とは別の、もう一方の「仕事」を意識する時間が増えた。もちろん、教員としての仕事のことだ。
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