2025センバツLIVE! 全32校アンケート分析

【柳ケ浦】泥臭く粘り強い「ジャガイモ軍団」 20 年ぶりの甲子園(大分県)

毎日新聞

センバツ出場が決まり、喜ぶ柳ケ浦の選手たち 【平川義之撮影】

 第97回選抜高校野球大会が3月18日に開幕します。北海道から沖縄まで各地から出場する32校の選手・監督らを対象に主催者が実施したアンケートから、チームの魅力や今どきの球児事情を探りました。

3点差以内の接戦制して九州4強入り

 DeNAや巨人などでプレーした山口俊さんを擁した2005年以来、20年ぶりの出場。甲子園は後に同県の強豪・明豊も率いた大悟法久志監督(故人)のもと、1994年夏にベスト4に進出。以降4度出場したが、白星には届いていない。

 鈴木聡監督は関東学院大の監督などを経て22年に就任。今年のチームは「(選手たちが)どんな場面でも力を発揮できるようになってほしい」という願いを込め、さまざまな料理で活用できる食材にちなんで「ジャガイモ軍団」の愛称をつけた。

 願いの通り、ユーティリティーにあふれるプレーヤーが多い。特に昨秋8試合に登板した杉本羽輝投手や、6試合登板の宮城介選手は野手として打線の中軸も務め、柔軟な継投を支えている。また、選手だけでなく、マネジャーの大学雄斗さんはノックを打ち、ブルペン捕手もこなすなど、練習で八面六臂(ろっぴ)の活躍をしている。

 秋のチーム打率は2割5分2厘で出場32校中31位。雨で3日間日程が延長された昨秋の九州大会で、選手たちは水を含んだグラウンドで土にまみれつつ、犠打など小技も絡めて3点差以内の接戦を制し、4強入りした。泥臭く、粘り強い野球は、いかにも「ジャガイモ軍団」らしい。

20年ぶりの甲子園をつかんだ選手たちの特色

大会前に主催者が柳ケ浦の選手20人に実施した「将来の夢」のアンケート調査結果 【毎日新聞】

 主催者が選手たちに実施したアンケートで、遊撃手として守備の要を担い、打線でも中軸を務める亀安歩汰選手は、過去の習い事に伝統芸能の「神楽」と記した。出身中学がある福岡県吉富町は、神楽が盛んで、毎年秋から年始にかけて町内各所で舞が奉納される。趣味欄に「文字を書く」と答えた田原光太郎主将のアンケート用紙の字は、達筆だった。

 田原主将は3月6日のキャプテントークで、チームの独自練習として「バットランニング」を挙げた。バットを両手に持って、上げながらランニングする練習で、上半身と脚力を同時に鍛える「結構キツい。昔からやっている」という。

 選手20人全員が「家族や友人」がきっかけで野球を始めたと回答。宮城選手は、祖父の兄弟が興南(沖縄)で1968年の夏の甲子園に出場。現同校監督の我喜屋優さんが主将を務めて沖縄勢初の4強入りを果たし、「興南旋風」を巻き起こしたチームの一員だった。

 将来の夢は「スポーツ関係の仕事」が6人で最多。プロ野球選手は宮城選手ら2人だった。

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