2025センバツLIVE! 全32校アンケート分析

野球始めたきっかけは「家族や友人」が9割 センバツ球児に調査

毎日新聞

選抜旗を手に健闘を誓う出場32校の主将たち 【長澤凛太郎撮影】

 トップレベルの高校球児の約9割が、身近な人の影響で野球を始めている。

 今月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の全出場校を対象にした主催者アンケートで、各校の部員に野球を始めたきっかけを尋ねたところ、「家族や友人」と答えた選手が89.3パーセントに上った。「野球選手・チームへのあこがれ」(5.1パーセント)や「漫画やアニメ」(1パーセント)を大きく引き離しており、野球を勧める人が近くにいることが、キャリアをスタートさせる大きな動機となっている実態が浮き彫りになった。

今年から選択肢を導入 回答を可視化

 センバツでは例年、1月の選考委員会の後、出場が決まった学校を対象に主催者がアンケートを実施。監督・部長らは校訓や野球部員の数、チームの特徴など、ベンチ入りが見込まれる選手らは球歴や野球以外のスポーツ経験などを回答する。

 今大会の出場32校の選手らを対象にした質問のうち、これまで自由記述形式だった「野球を始めたきっかけ」と「将来の夢」が選択式になった。出場校の球児たちが、なぜ野球を始め、どのような将来を描いているのかが、データで可視化された。

全員が同じ回答だった学校も

大会前に主催者が選手たちに実施した「野球を始めたきっかけ」のアンケート結果 【毎日新聞】

「野球を始めたきっかけ」の選択肢は、家族や友人▽野球選手・チームへのあこがれ▽漫画・アニメ・ゲームなど▽その他――の四つ。より詳細な理由などを尋ねる記述欄も設けられていた。

 アンケート結果を分析したところ、東海大札幌▽千葉黎明▽横浜▽柳ケ浦の4校で、回答した全員が「家族や友人」を選択した。全てのチームで、7割以上の選手の答えがこの選択肢に集中しており、地域や公立・私立などで傾向に大きな違いはなかった。

「家族や友人」と答えた629人が、具体的に誰を挙げたかも分析したところ、姉妹も含めた「きょうだい」が227人、「父親」が209人、「友人」が105人だった。「両親」「親と友人の影響」など複数の人物を記した選手もあった。

 日本高野連の調査によると、全国の高校の硬式野球部員数は2014年に17万312人いたものの、24年は12万7031人で、10年前より約25パーセント減少した。同じ期間の高校生徒数の減少率は約13パーセントで、全体よりも早いペースで部員数が減少していた。アンケートの結果は、家族など近しい人が野球に親しんでいなければ、プレーを始める機会そのものが大幅に減る可能性があるとも言え、子どもたちの「野球離れ」を考える参考資料となりそうだ。

 また、「野球選手・チームへのあこがれ」を選んだ36人のうち、大半の28人が国内のプロ野球チームやプロ選手の名前を回答。「漫画・アニメ・ゲーム」と答えた9人のうち漫画家・満田拓也さんのヒット作「MAJOR(メジャー)」を挙げた選手が6人を占めた。

プロ野球選手を夢に掲げる選手の割合は…

大会前に主催者が選手たちに実施した「将来の夢」のアンケート結果 【毎日新聞】

 将来の夢は、「プロ野球選手」や「メジャーリーガー」以外に、「スポーツ関係の仕事」「野球関係の仕事」など抽象的なもの、「消防士」や「警察官」など具体的な職業など計14の選択肢を用意。複数の職業を選択した選手も数人いた。

 最多は「プロ野球選手」の26.3パーセント(186人)。「メジャーリーガー」は健大高崎の佐藤龍月選手や敦賀気比の小林拓人選手など3パーセント(21人)だった。

「プロ野球選手」と「メジャーリーガー」を合計した「プロ志向」の選手の割合は、チームによって大きな差があった。最多は横浜の86パーセントで、智弁和歌山(76パーセント)、天理(55パーセント)と続いた。21世紀枠の2校では、壱岐の久保田空輝選手1人だけだった。

「未定」「その他」の回答を除き、「プロ野球選手」に次いで多かったのは、「スポーツ関係の仕事」の13.9パーセントで、野球関係の仕事(6.8パーセント)、消防士(5パーセント)、自営業(4.5パーセント)、社会人野球選手(4.1パーセント)と続いた。二松学舎大付と壱岐は「消防士」、東海大札幌は「社会人野球選手」の割合が最も多かった。

 出場32校別のアンケート結果は、連載「2025センバツ LIVE! 全32校アンケート分析」(https://sports.yahoo.co.jp/contents/17877)で詳しく分析している。
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