平成最後の天皇誕生日のキセキ 「競馬巴投げ!第183回」1万円馬券勝負

乗峯栄一

連載開始から6年半、最終回です

 突然ですが、2011年からほぼ6年半、月2回のペースで続いた当コーナー、第183回の今回で最後になります。

 担当の編集兼記者の人はぼくより随分若いんだけど、この連載以前からの知り合いで、みんなから総スカンくらいそうな時にも助けてくれて、ぼくの文章を評価してくれた。

 連載終了を告げるときも、とても辛そうで、かえって申し訳ない気になった。

 大丈夫、連載はいつか終わるものです。言っては何ですが、「連載終了」には、ぼくは慣れてます。むしろ、長期に渡って、よく使ってくれました。感謝です。

 あなたの、その苦しげな物言いだけで、十分心が満たされました。

 また特別企画のようなときは、原稿掲載もあるようで、そのときは、また「スポーツナビ」で会いましょう。

 とは言いつつ、正直「来年からどうやって暮らそう」とは思ったんだけど、たぶんグリーンチャンネルで(これもいつまで続くか分からないけど)週イチで出演するという話がきたんで、これが実現すれば、何とかなりそうだ。ブクブク太った醜い老体をさらすのは恥ずかしいところもあるけど、物書きらしく、不細工に、「オレの真意が知りたかったら書いたものを読め」という感じでいきたいと思っています。

 これまで継続的に読んでくれた読者の人たち、スポーツナビの関係者の人たち、ほんとにありがとうございました。

 さて、最後にふさわしい有馬記念の予想です。

これは凄い努力なんだよ

 いつものように「まず写真の説明から」と言いたいけど、最後まで、まず言い訳から入ります。

 いま馬場開場は朝7時で、その30分前までなら、マスコミも車で入れる。ただ、逍遥馬道を使ったウォーミングアップは朝6時頃から行われていて、それで逍遥馬道と、坂路追い切りあとが両方撮れる坂路頂点が絶好の場所になる。これは先週水曜の撮影だけど、朝6時には車で入り、坂路駐車場からテクテク坂路頂点まで歩く。

 でも冬至も近い今の時期は朝7時にならないと明るくならない。朝6時なんて真っ暗だ。ぼくのカメラと、ぼくのカメラ技術では、フラッシュ厳禁の場所で、真っ暗の中、撮るにはシャッターを長く開かないといけないが、その間に馬は動くから、何が何やら分からない写真になる。幕末の坂本龍馬の写真のように、10分間もじっとしていてくれたら、ちゃんと撮れるんだけどなあ。

 普通のメディアは、「坂路班」と「平場班」に分かれて撮るんだよ。

 一人で朝から、8頭も有馬ゼッケンの馬が撮れたら、これは凄い努力なんだよと、そこだけは言っておきたい。でもこのコーナー終了ということになれば、こんなことはもう要らないんだなあ。それも寂しいけど。

 ま、アイウエオ順に、

[写真1]キセキ 【写真:乗峯栄一】

[写真1]はキセキ。鞍上の、あのロンシャンボーイの清山助手(元騎手)が、こっち向いて“乗さん、今回はやるぜ”って、笑ってるでしょ? この声掛けに弱いんだよ。

[写真2]クリンチャー 【写真:乗峯栄一】

[写真2]はクリンチャー。急に目の前を通ったので慌ててシャッター押したので、ボケボケ写真になっている。厩舎地区で宮本調教師に会ったら、フランス遠征の疲れは完全にとれましたと、胸を張っていた。

[写真3]サトノダイヤモンド 【写真:乗峯栄一】

[写真3]はサトノダイヤモンド。ラストランらしいけど、さすがに風格がある。

[写真4]シュヴァルグラン 【写真:乗峯栄一】

[写真4]はシュヴァルグラン。こちらもラストランなのかなあ? 買うと来ないし、買わないと来るし、相性は悪かったけど、いま絶好調の友道厩舎、やっぱり怖い。でも、佐々木オーナー、頼むから、「ヴ」の多用はやめて欲しい。「ボルシェーヴ」なんか、「ボ」と「ヴォ」の選択で、毎回、馬名登録で確認しないと書けなかったんだから。

[写真5]マカヒキ 【写真:乗峯栄一】

[写真5]はマカヒキ。真っ暗な中でいきなり通るから慌てた。これでも、何とか修正したんだけど、ボロボロの写真ですね。ダービー馬の復活舞台に、有馬はふさわしいけど。

[写真6]ミッキーロケット 【写真:乗峯栄一】

[写真6]はミッキーロケット。ご存知、和田竜二に宝塚記念でオペラオー以来のGIを与えた馬だ。和田竜二、もうケガから復活しているのに、騎乗できないんだなあ。そこは残念だけど。

[写真7]モズカッチャン 【写真:乗峯栄一】

[写真7]はモズカッチャン。鮫島厩舎、初GIのエ女王杯のときはほんとに嬉しかった。スマートレイアーの熟女おばさんと牝馬2頭になる。デムーロが乗るし、ほんとに一発あるかも。

[写真8]リッジマン 【写真:乗峯栄一】

[写真8]はリッジマン。「頂きの男」という意味らしいけど、尻しか撮れなかった。ここが頂きなのか。でもステイヤーズSを勝った馬は怖い。

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著者プロフィール

 1955年岡山県生まれ。文筆業。92年「奈良林さんのアドバイス」で「小説新潮」新人賞佳作受賞。98年「なにわ忠臣蔵伝説」で朝日新人文学賞受賞。92年より大阪スポニチで競馬コラム連載中で、そのせいで折あらば栗東トレセンに出向いている。著書に「なにわ忠臣蔵伝説」(朝日出版社)「いつかバラの花咲く馬券を」(アールズ出版)等。ブログ「乗峯栄一のトレセン・リポート」

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