“世界3強牝馬”の夢対決は実現するか? 香港で聞いた外国騎手・メディアの評価
香港国際競走は地元馬が史上初の4連勝
今年の香港国際競走は4レース全てで地元馬が勝利……香港ヴァーズ2着のリスグラシュー(右)をはじめ日本馬は未勝利に終わった 【写真:有田徹】
日本馬に立ちはだかったZ・パートンとF・ロー調教師
香港の新鋭トレーナー、F・ロー調教師(右)が「カップ」「スプリント」の2勝を挙げるなど大きな壁として日本馬陣営に立ちはだかった 【写真:山本智行】
立ちはだかったのは「マイル」のビューティージェネレーションと「ヴァーズ」のエグザルタントで勝った名手、Z・パートンと「カップ」のグロリアスフォーエバーと「スプリント」のミスタースタンニングで2勝を挙げた敏腕のF・ロー調教師だった。
「すばらしい出来事。信じられない」とは開業2年目で国際競走を2勝もしたロー調教師。レース後、SNSつながりの彼とは2度ガッチリと握手したが、一体どんな仕上げを施しているのか。今度じっくり聞いてみよう。
ディアドラ橋田厩舎、込山助手の思い
7R「マイル」では勝ち馬の強さばかりが目立ったが“大魔神”佐々木主浩オーナーが見守る中、引退戦のヴィブロスが健気な走りで2着に浮上。メーン8R「カップ」でもディアドラがゴール直前で昨年の勝ち馬タイムワープを交わし、兄弟ワンツーフィニッシュを阻止している。
どの陣営も香港にかける思いは半端ではなかった。毎年のようにチャレンジを続ける池江泰寿調教師は今回、ペルシアンナイトで「マイル」に参戦。春の「チェアマンズスプリント」で4着に敗れたファインニードルの高橋義忠調教師も国内でのGI勝ちをひとつ加え、リベンジに燃えていた。
ディアドラの持ち乗りを務める込山助手、「四半世紀分の思い」は惜しくも届かなかった 【写真:有田徹】
「サイレンスのときはコーナー2つの1800メートルだったよね。いまは2000メートルになってGIに。香港では結構いいところまで来ているのでそりゃ、勝ちたいですよ」
今回はアドマイヤメイン以来12年ぶりの香港。66歳になった橋田調教師は自分のことより、二人三脚で長年歩んできた込山雄太調教助手の心中を思いやった。
「僕ぐらいの歳になると変な気負いはないけれど、込山は勝ちたいんとちゃう。ましてや今回は持ち乗り(助手)やからね。もともと彼は馬の世話をするのが大好きやってんから」とトレーナー。当の込山助手も「うちにとったら四半世紀分の思いがこもっている。何とか」と意気込んだ。