セパ12球団・補強診断

セパ補強診断ーロッテ、日本ハム、ソフトバンク編 流出の穴埋めを期待!優勝のカギを握る新戦力は?

データスタジアム株式会社

ロッテは昨年FA権を取得した西野勇士の引き留めに成功した 【写真は共同】

 いよいよキャンプインを迎え、新たなシーズンがスタートするプロ野球。昨秋のドラフトや外国人選手などを中心に進めていた各チームの新戦力補強も一段落したといっていいだろう。このコラムではここまでの戦力補強を球団ごとに振り返り、それぞれの内容について評価していきたい。

 なお評価については、A~Dの4段階で行った。国内移籍は選手の総合的な貢献度を測る指標であるWARをもとに、ドラフトで入団したルーキーや新外国人選手はチーム状況に対して適切な補強だったかを鑑みて、総合評価としている。

※内容は2025年1月22日時点の情報をもとに執筆

ロッテ 評価B

【データスタジアム株式会社】

 2年続けてクライマックスシリーズ進出と着実に力をつけているロッテ。今オフはやはり“令和の怪物”佐々木朗希のポスティングシステムによるメジャー挑戦が大きなトピックといえるだろう。昨季は高卒5年目にして自身初の2ケタ勝利をマーク。ケガによる離脱の影響もあり規定投球回未満の111イニングにとどまったが、持ち前の高い奪三振能力でリーグ3位のWARを記録しており、簡単に埋まる穴ではない。さらには勝ち星こそ伸びなかったものの、ローテーションを支えたメルセデスが退団となった。
 
 先発陣の再建が必要となる中で、ソフトバンクからFA権を行使した石川柊太の獲得に成功。昨季はチーム事情から一軍での登板数を減らしたものの、2020年に最多勝と最高勝率の2冠に輝き、23年にはノーヒットノーランを達成するなど実績は十分。風が強いことで有名なZOZOマリンとの相性も良く、昨季は計12イニングを投げて無失点。通算防御率3.32に対して同球場での防御率は2.47をマークするなど、是が非でも迎え入れたい存在だった。また、昨季FA権を取得した西野勇士の引き留めに成功したことも非常に大きい。先発候補として獲得した新助っ人サモンズは昨季MLBで6試合に登板し、ストレートの被打率.059を記録している。さらには今季の飛躍を期待されている田中晴也、中森俊介らがローテーション入りを果たせば盤石な先発陣を形成できるはずだ。

 また、助っ人では3年ぶりの復帰となるゲレーロの獲得も発表された。前回在籍した22年には最速163キロを記録し、チーム2位の24ホールドをマークした剛腕リリーバーだ。既存の救援投手では鈴木昭太と横山陸人が侍ジャパン入りを果たすなど台頭したが、昨季の得失点貢献を見るとわずかにマイナスとなっている。ゲレーロの加入により、ブルペン陣の底上げに成功した。

 一方の野手陣は、打線の軸となるソト、ポランコが残留するなど、投手陣と比べて顔ぶれの変化は小さい。ドラフト会議で24年3月の侍ジャパンシリーズに大学生ながら代表選出された西川史礁を抽選の末に獲得。吉井理人監督は本職の外野のみならずセカンドやショートでの起用にも含みを持たせているが、センターラインを守りつつ優れた打力を発揮すれば、チームの新たな強みとなるだろう。他にも打撃に定評のある社会人内野手を2人指名し、現役ドラフトでは中日から石垣雅海を獲得。貢献度が大きくマイナスとなった三遊間で、安田尚憲や23年ドラフト1位の上田希由翔などの現有戦力にもより激しい競争を促している。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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