韓国馬を一蹴! 今年も日本馬は強かった 好騎乗の藤井勘一郎、夢のJRA騎手受験へ

山本智行

9月9日に行われた韓国競馬のGIコリアSを日本馬モーニンで制した藤井勘一郎騎手、夢はJRA騎手だ 【写真:有田徹】

 やっぱり日本馬は強かった。9月9日に韓国・ソウル競馬場で行われた「第3回コリアカップ」(韓国GI、ダート1800メートル)は岩田康誠騎乗のロンドンタウン(牡5=栗東・牧田和弥厩舎、父カネヒキリ)が15馬身差で圧勝し、連覇を達成。また「第3回コリアスプリント」(韓国GI、ダート1200)は藤井勘一郎騎乗のモーニン(牡6=栗東・石坂正厩舎、父ヘニーヒューズ)が豪快に追い込み、香港馬との激闘を制している。

“韓国の菜七子”も目を輝かせるビッグレース

藤田菜七子騎手的な存在で注目を集める韓国のキム・ヒョジョン騎手、レース後の私服姿もパシャリ(写真左=撮影・有田徹、右=撮影・山本智行) 【スポーツナビ】

 韓国国際競走は今年もドラマが生まれた。コリアCの1着賞金は韓国NO.1の5700万円。デビュー2年目で通算22勝(9月9日時点)を挙げている女性騎手のホープで、韓国競馬の藤田菜七子騎手的な存在とも言えるキム・ヒョジョン騎手も「特別なレース。いつかは乗りたい」と目を輝かせていたものだ。

 前評判では地元の連勝馬、英国の芝GI出走馬もいて“番狂わせ”を警戒する関係者もいたが、レースは単勝1.7倍のロンドンタウンが歴史的大差で連覇を飾った。その差は15馬身。時代も舞台も違うとはいえ、1998年金鯱賞のサイレンススズカを思わせるようなワンサイド勝ちだった。

「ハナを主張する馬がいたので2番手に。ペースが遅かったので向こう正面で迷わず行った。直線に入って、ビジョンで確認したら何も映ってないんだもん」

 コンビの岩田のほおは緩みっぱなしだった。タイムは昨年より力のいる馬場だったにもかかわらず1分50秒6。昨年マークした自身のレコードをコンマ1秒更新した。

メーンレース・コリアカップは岩田康誠騎乗のロンドンタウンが歴史的大差で連覇 【写真:有田徹】

 何より経験値が大きかった。「うまく絞れた」と宇田登志夫調教助手。岩田も「去年よりリラックスしていた」と状態の良さを感じ取っていた。たまたま1週間前に小倉競馬場行きのモノレールで会った牧田調教師は「栗東からソウルの厩舎まで10時間ですからね。調整しやすい」と報告。8日午前4時の直前追い後には「昨年より落ち着いている。連覇を目指したい」と自信を深めている様子だった。

 これで日本馬はコリアンC3連勝。ジャパンCも創設後は外国馬が3連勝したが、年々着差が広がっているのはどうしたものか。優勝セレモニーでは薪浦亨オーナーが韓国競馬界のトップの前で早くも3連覇を宣言した。来年も選出されれば、かなりの確率で達成されるだろう。オッズがどこまで下がるか知らないけれど……。

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著者プロフィール

やまもと・ちこう。1964年岡山生まれ。スポーツ紙記者として競馬、プロ野球阪神・ソフトバンク、ゴルフ、ボクシング、アマ野球などを担当。各界に幅広い人脈を持つ。東京、大阪、福岡でレース部長。趣味は旅打ち、映画鑑賞、観劇。B'zの稲葉とは中高の同級生。

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