香港勢が完全制覇した香港国際競走 日本馬は3レースで2着と見せ場作るも…
9頭参戦の日本勢は勝利ならず
勝ち馬ビューティージェネレーション 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
9頭が参戦した日本馬は牝馬が随所で見せ場をつくったが、香港国際競走ではなぜか日本牝馬に優勝なし! というジンクスを破ることはかなわず。リスグラシューが香港ヴァーズ2着、これが引退レースだったヴィブロスが香港マイルで2着、ディアドラが香港カップ2着と頑張ったものの、2011年から昨年まで続いていた日本調教馬の海外G1勝利が見られない一年となった。
お家芸の香港スプリントとワールドベストレースホースランキングの芝マイル部門でトップに立つビューティージェネレーションが立ちはだかる香港マイルの優勝は、戦前からある程度予想されたことだが、2000mの香港カップと、これまでは欧州馬、日本馬に馬場を貸す格好になっていた2400mの香港ヴァーズの制覇は香港ジョッキークラブが、ここ数年で進めてきた中長距離の分野でも世界に対抗できるタレントを育てようという戦略が実を結びつきつつあることを示している。
今シーズンも断然のトップを突っ走るZ.パートン騎手は香港ヴァーズと香港マイルを制したことで、G.モッセ騎手と並ぶ香港国際競走で最多の8勝目を記録した。地元生え抜きのF.ロー調教師は香港スプリントをミスタースタニングで制して香港国際競走でうれしい初優勝を飾ると、その約2時間後の香港カップを伏兵視されていたグロリアスフォーエバーで制し、2度目の表彰台に立った。ロー調教師の活躍は香港競馬サークル、特に地元馬主の間からじわじわと沸き上がっている「外国人(調教師、騎手)支配からの脱却」の先駆けと見ることもできそうだ。