爆発的なスピードとパワーで ティショットのアドバンテージを奪う福山ゴルフ『F-1 SKYWARD FORCE』を試打検証

GEW(月刊ゴルフ用品界)

【福山ゴルフ『F-1 SKYWARD FORCE』】

メーカーの地元・福山(広島)を起点に「飛ぶ!」と口コミが広まっている福山ゴルフのドライバー。アマチュアのユーザーが軒並み、マイドライバーよりも10~20ヤードの飛距離アップを叶えているという、ウワサの強弾道モデル『F-1 SKYWARD FORCE(エフワン スカイワード フォース)』を永井プロが打って、そのポテンシャルを検証した。

まずは動画で

ディープフェースでパワフルな弾道を生む

永井 クラブを構えた感じ、フルサイズではない455cm3でディープフェースなこともあって、投影面積がそれほど大きくないしキレイに整った丸型です。わりと小ぶりに見えるし、クラウンが起きていてアップライト感があり、球がつかまりそうな印象。しかも、クラウンのトウ・ヒールにある2本の白いラインにより、程よいボリューム感やスクエア感が出るし、テークバックの方向をイメージしやすい。きめ細かな工夫がされていますね。ソールを見ると、後方とヒール寄りにウェイトが入って、外周にトレンチ(ミゾ)が施されている。こういうミゾは重量を稼ぐことにもなり、低・深重心化の効果があるでしょう。

『F-1 SKYWARD FORCE』の大きな特徴は、ディープフェースと言えます。フェースを正面から見たときに、太鼓型というか真円に近くなるほど、フェースのたわみが生じて反発力が高まるもの。このヘッドは見るからに〝飛ぶ予感〟が伝わり、高いミート率やボール初速が期待できます。実際に球を打つと、私自身にとって過去最高のミート率1.55というデータが出ました。これは驚くべきパフォーマンスと言わざるを得ません。

ロフトを1.5度、寝かせるとキャリーがさらに伸びた

【『F-1 SKYWARD FORCE』】

永井 純正シャフト「SKYWARD INPLAY」のフレックスR2(56g)を挿して打ちましょう。フェースがどちらかというと平面的で〝面〟がスッキリ見えて、目標へスクエアに向きやすいです。しかも、フェースのややトウ側に打点を外しても、ギア効果でドローがかかって戻ってくる。ややシャープなサイズ感のわりに方向性の良さを感じます。

弾道はロースピンの棒球。計測データを見ると、ランがほぼ40ヤードとかなり出ました。前述したミート率の高さ(1.55)も含めて、HSが41m/sでトータル260ヤード近く行くのは、まさに〝破格の飛距離〟。それでいて、低スピン弾道にありがちな不安定さはなくて、フェースが向いた方向へ素直に球が飛び出していくし、サイドスピンも抑えられて直進性が高いことが分かりました。

シャフトを振った感じ、フレックスがR2でもけっこうしっかりしてます。しなやかな動きで、スイングに対してレスポンスが良く振り心地がいい。幅広いタイプのゴルファーに合いそうです。振っていて程よい〝歯ごたえ感〟があり、打ち手の「ガンバって振るぞ」というモチベーションをシャフトが引き出してくれる。そういう意味でも、飛ばせる要素が満載のクラブです。ヘッドで+20ヤード、シャフトで+10ヤード、トータル+30ヤードくらいを目標値にできるかもしれません。

続いて、純正シャフト「SKYWARD TOUR」のTYPE3(X/60g)に挿し替えて打ちます。シャフトの手元側に4軸組布を用いてしっかり感があるし、フルレングスで高弾性繊維を使用したことでしなやかさがあり、スピードが出てくる感じがしました。振ってみると、自分が動いたぶんニュートラルに反応してくれるし、エネルギー効率がかなり高い。やはり、低スピンの球が飛びました。打ち出しは低めでしたが、ランがしっかり出ます。

今度は、同じシャフトのまま〝カチャカチャ〟でロフトを1.5度、増やしてみました。すると、HSが上がりつつミート率がさらにアップして1.56に。ロフトを大きくしたぶん、スピン量がやや増えて弾道の滞空時間が長くなり、キャリーが240ヤードを超えて、トータルが273ヤードまで伸びました。

ボールを押し込めるからエネルギーがフルに伝わる

【ミート率1・56を記録!】

永井 ここまでのテストから『F-1 SKYWARD FORCE』のヘッドは、インパクト効率(初速効率)が高くて、ロースピンで直進性が高くランが伸ばせることが分かりました。風が強かったり芝が薄い冬場はロフトをあまり増やさず、アゲンストに負けないライナー系の弾道でランを稼ぐのもアリ。一方で、ロフトを変えてキャリーとランのバランスをアジャストすることで、+20~30ヤードという劇的な変化が訪れる予感もアリ。その人の好みやプレースタイル、コンディションに合わせて選択しましょう。

このモデルの強みであるインパクト効率やミート率の高さは、ボールをしっかりと〝押し込める〟ヘッドだからこそ。インパクトでヘッドとボールが重なっている時間が長ければ長いほど、いわゆる〝厚い当たり〟になり、エネルギーを逃がさずボールに伝えられるんです。とにかく1ヤードでも前へ前へ飛ばしたい人、普段から球が高すぎたりスピン過多で飛距離をロスしている人にもオススメ。ゴルファーが一生懸命に振ったぶんだけ、ボールが前に行ってくれるでしょう。
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著者プロフィール

1978年2月創刊のゴルフ産業専門誌「月刊ゴルフ用品界」(GEW)を発行。2000年5月から影響力のあるコアゴルファーを対象にネット情報を発信するウエブサイト「GEW」を立ち上げた。各種業界団体と連携、ゴルフ市場活性化への活動も推進中。

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