【クラブフィッターが解説】CGジェクションが進化のカギ！テーラーメイド最新「Qi35」ドライバー、コア・MAX・LS・MAX LITE の違いは？
Qi35ドライバーの進化点「CGジェクション」とは？
これは、クラブの構造上、避けることのできない課題でしたが、そこをいかに最適化するかというのが、今回のテーラーメイドの進化のポイントになっています。
カーボンフェースの最大のメリットは、金属製のフェースに比べて軽く作れることです。通常、フェース面には強度が必要なため、金属が使われることが多いのですが、テーラーメイドはカーボン素材を巧みに用いることで軽量化に成功しました。
その結果、フェース部分の重量を大幅に削減できたため、Qi35はクラブヘッドの重心を深くしながらも、重心点を低く抑えることができたのです。
フェース面上の重心点よりも低い位置でボールをヒットすると、ボール初速は速くなりますが、スピン量が減少し、打ち出し角も低くなってしまいます。
もともと高い慣性モーメントとミスヒットへの強さを備えていましたが、今回の進化によって、さらに最適な弾道を打ちやすくなっているように進化しているということです。
Qi35ドライバーの特徴
基本的な性能は従来のコアシリーズと同様で、適度な低スピン性能とコントロール性能を備えています。
現状のコアモデルでは、ウェイトポジションによって、ある程度スピンがかかるように設定されています。しかし、前方に13g、後方に3gのウェイトを装着することで、LSモデルに近い低スピン弾道を実現することができます。
Qi35では、フロントとバックのウェイトを入れ替えることで、好みの弾道に調整することができるのが大きなポイントです。
Qi35 MAXドライバーの特徴
コアモデルやLSと比べると、多少スピン量は多くなりますが、前作と比較するとスピン量が安定し、飛ばしやすくなりました。
Qi35 MAXは、10Kの慣性モーメントを維持しながら、「CGプロジェクション」によって、さらにミスヒットに強いドライバーに仕上がっています。
Qi35 LSドライバーの特徴
フロント側に3gのウェイト2つ、バック側に13gのウェイト1つを搭載しています。レール式だと部品が重くなるため、設計段階で余剰重量を増やすためにネジ式に変更されたと考えられます。
また、Qi35 LSは、ウェイト交換によって弾道調整が可能で、球の高さやスピン量を自在に操ることができます。
安定した低スピン弾道は飛距離アップにつながるため、飛距離を追求するゴルファーは、ぜひこのモデルをチェックしてみてください。
Qi35 MAX LITEドライバーの特徴
Qi35 MAXと比べると、Qi35 MAXは黒いラインで縁取られているため小さく見えますが、Qi35 MAX LITEは白いラインで縁取られているため大きく見えます。このように、視覚的な工夫も凝らされたモデルです。
テーラーメイドにはグローレというブランドがありますが、本来であれば2024年にモデルチェンジされる予定でした。しかし、モデルチェンジが行われず、2025年の新作にMAX LITEがラインナップされたということは、このモデルが実質的にグローレのポジションを担うクラブになっていると考えられます。
重量面でもグローレと共通点があり、コンセプトは多少異なりますが、ユーザーにとってはニーズに合致するのではないでしょうか。
Qi35シリーズ4モデルを試打した印象
特に安定感を重視するなら、間違いなくMAXから試してみてください。余計なスピンがかかりにくくなり、安定して飛ばせるという点で、MAXは最適なポジションにあります。
さらにやさしさを求めるならMAXモデルがあります。多少のミスヒットでも、安定した飛距離と方向性を得たいなら、間違いなくMAXがおすすめです。
「もう少し飛距離が欲しい」という方はコアモデル、「もっと飛ばしたい」という方はLSモデルを試してみてください。
もしグローレを使っていたけれどMAX LITEが合わないと感じた場合は、コアモデルをリシャフトしてみるのも良いでしょう。きっと、そちらの方がしっくりくると思います。
最適重心化によって余計なスピンがかかりにくくなったことで、適正な打ち出し角がより重要になります。
これまで9°のロフトでライナー性の弾道を打ち、飛距離を稼いでいた方が、同じように9°を使うとスピン量が不足して飛距離が落ちてしまう可能性があります。Qi35ではこの傾向がより顕著になっています。そのため、ロフト角の見直しはぜひ行ってください。安定した強い初速と適正なスピン量でボールを打ちやすくなったからこそ、高めの打ち出し角で打つことで、その性能を最大限に活かせるはずです。
そしてぜひ、一度試打してみてください。弾道測定器のある練習場やショップで、スピン量を確認しながら試打すると、進化をより実感できると思います。
やさしさを追求しながらも、飛距離性能も向上しています。しっかりとモデルを選ぶことで、飛距離アップも期待できます。ぜひ、この進化を体感してください。
前作Qi10シリーズのドライバーもチェック
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ