新生ラグビー日本代表が始動 ジョセフHCはコミュニケーション重視
リーチ、五郎丸は選外も堀江、田中らが集結
身長196cmの巨漢、ジョセフHCが率いる日本代表がスタートを切った 【斉藤健仁】
2019年のワールドカップまであと3年、ジェイミー・ジョセフ新HC(ヘッドコーチ)が9月に就任したラグビー日本代表は、10月9日から11日にかけて東京都内で初めてのミニキャンプを実施。今回の合宿の目的は11月5日にホームで迎えるアルゼンチン戦を含むテストマッチ4連戦に向けて、少しでも早く準備することが目的だった。
合宿前にFW19人、BK17人の36人の日本代表スコッド(候補)を発表。FB五郎丸歩(フランス・トゥーロン)、FLリーチ マイケル(東芝)、WTB山田章仁(パナソニック)らが招集されなかったものの、昨年のワールドカップ(W杯)に出場した選手は16人、トップリーグで活躍し、初めて日本代表候補に選出された選手も15人というフレッシュな布陣となった。
HO堀江翔太、SH田中史朗、PR稲垣啓太(いずれもパナソニック)、PR畠山健介、FB松島幸太朗(ともにサントリー)、CTB立川理道(クボタ)、LO大野均(東芝)といった経験豊富なメンバーが中軸であることは変わらない。一方でトップリーグにおいて開幕から全勝で首位を走るヤマハ発動機のPR伊藤平一郎、山本幸輝、HO日野剛志、FL三村勇飛丸ら6人が招集されたことが特徴的だった。合宿自体にはケガや家庭の事情などで参加できなかった2名を除き、追加招集のティモシー・ラファエレ(コカ・コーラ)を含む35名が参加した。
身長196cmの指揮官はコミュニケーション重視
立川(中央)と会話するジョセフ日本代表HC(左)とサンウルブズ新HCのティアティア氏(右) 【斉藤健仁】
日本代表だけでなく、ニュージーランド(NZ)代表「オールブラックス」のFWで活躍したジョセフHCは身長196cm、体重105kgの巨漢。一際目立つ存在であり、グラウンドのどこにいるかすぐにわかるほどだ。威圧感を与えることなく、時折、大きな、人なつっこい笑顔も見せながらコーチや選手と常にコミュニケーションを取る姿が印象的だった。選手からもジョセフHCは「話しやすい」、「わからないことがあれば、どんどん聞いてほしいと言われた」という声が聞こえた。選手の意見に耳を傾けることで、チーム文化を作っていきたいという姿勢が見て取れた。
「経験の多い選手から意見を取り入れたい」
ジョセフHCは堀江(中央)ら選手の意見を取り入れる意向だ 【斉藤健仁】
「選手が主体」、「プレーするのは選手」という言葉は、さまざまなスポーツを取材している中で、よく聞く言葉だ。ただ、一般的には、コーチや監督がその言葉を真に実践することは難しい。ただ2003年より指導者となったジョセフHCは、NZのウェリントンのアシスタントコーチ、HCを経て、2011年からスーパーラグビーのハイランダーズのHCとして「ラグビー王国」で10年以上の指導歴があり、ハイランダーズにおいてスーパーラグビーで下から2番目の14位と初優勝と両方を経験している。その言葉の重み、意味を受け止めて、咀嚼(そしゃく)し実践しているように感じた。