新生ラグビー日本代表が始動 ジョセフHCはコミュニケーション重視
ユース世代、7人制の指導者も集まる
スーパーラグビーでも手腕を発揮しているトニー・ブラウン氏がアタッキングコーチを務める 【斉藤健仁】
同時に、サンウルブズやパナソニックのアタックコーチを務めるパナソニックの田邉淳コーチもブラウン氏とともに選手たちを指導。その他にも合宿には、薫田真広ディレクター・オブ・ラグビー、来年からサンウルブズのヘッドコーチに新たに就任したフィロ・ティアティア氏、U20日本代表やジュニア・ジャパン、そしてアジアの大会の日本代表を率いた中竹竜二氏、中竹氏とともに若い世代を指導している遠藤哲FWコーチ、7人制男子日本代表の指揮官である瀬川智広氏も練習の姿も見えた。今後、ジョセフHCはトップリーグの各チームの指揮官にも合宿を見学する機会を積極的に促すという。
今後、ジェイミー・ジャパンの戦術や戦い方を、ジュニア・ジャパン、U20日本代表と若い世代と共有することで、誰が呼ばれてもすぐにチームになじむことができるようになろう。まさしく「オールジャパン」での船出となった。
「スモウ」、「ドヒョウ」というコールも
初選出のSO小倉(NTTコム)。「ボールをどんどん動かす」ゲームプランではSOの判断が重要になりそうだ 【斉藤健仁】
また、アルゼンチン戦まで練習時間がなかったということも影響しているかもしれないが、ジョセフHCのコーチングは「シンプル」、「わかりやすい」と選手たちは声をそろえるように、ポジション別に何をすべきかの役割、仕事を明確化。今回の合宿は「ゲームプランの徹底」として「ボールをどんどん動かす」ため、グラウンドでの攻撃時のボールの動かし方、そしてアンストラクチャー(崩れた局面)からの攻撃に時間を割いたが、例えばタイトファイブ(FWの前5人)がスペースを作り、ハーフ団がスペースを突く、WTBは大外でプレーしラックを作らずボールをつなぐといった具合である。またFWのアタック・シェイプ(陣形)を「スモウ(相撲)」、ボールを一端、中央に戻すことを「ドヒョウ(土俵)」と呼ぶなどの工夫も見られた。
準備期間は少ないが、幸先の良いスタート
明るい笑顔を見せる日本代表。11月にはW杯4強のアルゼンチンなど4カ国と対戦する 【斉藤健仁】
初の合宿を終えて、ジョセフHCも「とても成功裏に終わったキャンプだと思います。16名の新しく選出された選手たちは、とてもワクワクした気持ちで臨んでいました。とにかく選手に会えて良かった」と総括した。11月のテストマッチ4連戦は、どの相手も日本より格上で、厳しい戦いになるのは必至だ。一方で、どうしてもW杯まで「もう3年しかない」と考えてしまいがちだが、ジョセフHCは「まだ3年ある」とも言い切った。
準備期間が少ない、主力選手の試合数過多、リーチらの代表辞退などの問題もある一方で、いずれにせよ、ジェイミー・ジャパンは幸先の良いスタートを切ったことは間違いない。