関東学連106年の歴史の中でわずか3人!「3年生幹事長」が語る、箱根駅伝と予選会にかける思い
歴代3人目の「3年生幹事長」
第101回箱根駅伝の予選会で力走する選手たち 【写真は共同】
「初めて経験することばかりで、わからないことだらけの私が今、幹事長を務めていられるのは、4年生の先輩方にサポートしてもらっているおかげです。先輩方が箱根駅伝や予選会などの大会の運営でも、通常の業務でも重要なポジションにいて、私が何もしなくてもいいくらい、しっかりと役割を果たしてくれるんです」
10月に行われた箱根駅伝の予選会では、例年、幹事長が行っている結果発表を初めて体験した。前日にステージが完成した段階で、テレビ中継を担当する日本テレビのスタッフと打ち合わせを兼ねて、マイクを入れてリハーサルをした。
「ほとんど人がいないリハーサルですら緊張したのに、翌日の本番は大丈夫か、不安になりました。ただ、予選会当日は、想像していた以上に多くの観客が会場を埋め尽くしていたおかげなのか、逆に緊張することはなかったです」
箱根駅伝とその予選会のようなロードレースの運営には、全日本大学駅伝の関東地区選考会や10000m記録挑戦競技会のような陸上競技場内のトラックで行われるレースと違った大変さがあるという。
「予選会当日、私は陸上自衛隊立川駐屯地で選手が招集することを確認し、スタートして選手が市街地に出たタイミングで、国営昭和記念公園のフィニッシュ地点に設けた大会本部に移動。大会総務として、何かが起こったときの対応をしていたのですが、選手は市街地を走っているので、トラブルが起こってもすぐに状況を把握できず、駆け付けることもできません。これは箱根駅伝でも同様です」
「学連幹事は担当によって業務内容が変わります。幹事長になって前年と違う新しい業務を担当することになると、準備段階においても大会当日の運営においても経験がない分、見えないことが多くて大変でした」
得られた学びを、次年度に活かす
取材に応じる関東学連の金子帆夏常任幹事(左)と次呂久直子幹事長 【撮影:熊谷仁男】
「現時点ですでに『次はこうしたい』と思うことがたくさんあります。せっかく2年間幹事長を務めるチャンスをもらうことができたので、それらを改善していくだけでなく、後輩がもっと業務をやりやすくなるような体制作りと、みんなで仲良く頑張っていけるような、居心地の良い雰囲気作りにも力を入れていきたいです」(次呂久)
「今はだいぶ和やかで、ちょっとうるさいくらいだよね」と先輩の金子は笑う。「でも、次呂久が作ってくれた雰囲気のおかげで、みんな仲が良くて」。
次呂久、金子ら学生が中心となって運営している第101回箱根駅伝の開催が、いよいよ明日に迫る。選手とともに2日間を駆け抜け、閉会式を無事に終えた後、苦楽をともにした仲間と過ごすひとときに味わう開放感は、いかほどのものか。それは想像もできないような喜びと達成感に満ち溢れているのだろう。