ベンドラメ礼生が見た男子バスケのドイツ戦「40分間殴り合いのような試合に泣きそうになった」
「中から外・外から中」の動きが加わって
河村(勇輝)選手がドライブするにしろ、八村(塁)選手からインサイドでボールをもらうにしろ、「外だけ・中だけ」ではなく「中から外・外から中」という動きが加わり、全員がトランジションでしっかり走って、コーナーまで広くコートを使うバスケができていました。出だしでシュートを連続で外した時はどうなるかと思いましたし、第2クォーターで離されかけたタイミングもありましたが、そこを耐えて、1桁の点差(44-52)で前半を終えられたのはすごく良かったと思います。
後半も自分たちのリズムでバスケットができていました。河村選手のドライブを止められる選手はいなかったし、吉井(裕鷹)選手がタイミングよくカッティングすることで相手のディフェンスが収縮し、外の渡邊(雄太)選手や八村選手が空いてきました。
日本は3ポイントシュートを軸にオフェンスを組み立てているチームですが、3ポイントを打つためには、やはり相手ディフェンスを中に収縮させなければいけません。強化試合では「外・外」とスペーシングを取ってそれができていませんでしたが、今日はたとえシュートに繋がらなくても、ペイントエリアにボールを入れて、ドイツのディフェンスを小さくさせられていた。この試合だけでなく、この先もちゃんと点が取れるイメージが湧きましたね。
もったいなかったのはディフェンス。河村選手や吉井選手がすごくいいディフェンスをしていたんですが、ファウルになってしまうケースが多かった。最終的に20点差がつきましたが、各クォーター4点ずつくらい余計でしたね。リバウンドではドイツを上回れていましたから、フィジカルで押し切るようなドライブや、ミスマッチでポストプレーを仕掛けられた時の対応を改善していく必要はあるのかなと感じました。
あとはシュートを決め切る、出だしから打てていた3ポイントを決め切ること。簡単そうに聞こえてそれが一番難しいんですが、日本がやろうとしているのは結局そこ。2点取られても3点取ればいいんです。そして、そのチャンスを作る力を、今の日本は持っていると思います。
昨年のワールドカップを制したドイツは、今大会でももちろん優勝候補の一角です。その強さの理由は、1つひとつのプレーの堅実さにあると感じました。サイズを生かして強引にシュートを打つこともできるのに、ノーマークを見つけ出してパスを回し、しっかりシュートを打ち切る。スクリーンを使った後も無理せず展開して、確実なプレーを選ぶ。誰かがドライブすれば、それを止められた時のために2人目、3人目も動く。そこの合わせのプレーはすごく上手だなと思いました。