世界も驚く 「史上初」の快挙を連発した日本の選手たち東京2020全メダリストたちを一挙プレイバック【後編】

株式会社スリーライト
 東京五輪では、今大会から加わった新競技でも日本人選手が多くのメダルを獲得。日本中が、これまで見たことがなかった競技の面白さに惹きつけられた。また、日本がこれまでメダルを獲得できなかった競技でも、「初のメダル」という快挙が相次いだ。前編に引き続き、感動を与えてくれたメダリストたちの活躍を振り返る。

注目の新競技で続々とメダルラッシュ

スケボー男子初代王者に輝いた堀米雄斗 【写真:ロイター/アフロ】

 メダルラッシュで日本中を驚かせたのが、東京からの新競技であるスケートボードだ。最初の種目、男子ストリートの堀米雄斗の金メダルでスケボーへの注目が集まると、女子パークの四十住さくらが金メダル、女子ストリートの西矢椛は13歳で日本史上最年少の金メダルを獲得。そして12歳の開心那が女子パークで銀メダルを獲得し、西矢を抜いて、夏冬含めて日本最年少のメダリストとなった。また、女子パークでは中山楓奈も銅メダルを獲得。計、金3個、銀1個、銅1個と初めての五輪でメダルを量産した。

 パリ五輪には、メダリストの堀米雄斗、四十住さくら、開心那、中山楓奈が出場。花の都で繰り出す大技が楽しみだ。

初の五輪で安定した強さを見せた野中生萌 【写真:松尾/アフロスポーツ】

 東京五輪で初めて正式競技になったスポーツクライミングは、速さを競う「スピード」、ロープを使わずに低い壁を登る「ボルダリング」、ロープを使って高い壁を登る「リード」の3種目の成績で順位が決まる。

 女子複合のメダル争いは最終種目の「リード」まで熾烈を極めた。これまでの世界での実績からメダル候補として注目された野中生萌が銀メダル、野口啓代が銅メダルを獲得した。

 当時32歳だった野口啓代は、東京五輪後に男子代表の楢崎智亜と結婚。野中生萌は、パリ五輪出場枠をかけた「オリンピック予選シリーズ」ボルダー&リード複合決勝で準優勝し、出場枠を獲得。2大会連続のメダルを狙う。

新競技のサーフィンで銀メダルを獲得した五十嵐カノア 【写真:ロイター/アフロ】

 サーフィンも東京五輪で初めて正式競技となった。千葉県一宮町の釣ヶ崎海岸を舞台に男女20名の選手がメダルをかけて技を競い合った。日本は男子ショートボードの五十嵐カノアが銀メダル、女子ショートボードの都筑有夢路が銅メダルに輝き、初めての五輪で男女ともにメダルを獲得した。

 パリ五輪のサーフィンは、タヒチ(フランス領ポリネシア)のチョープーで行われる。

 前回2位の五十嵐カノアは悲願の金メダルを狙うが、5月に同会場で行われた前哨戦は9位と振るわなかった。五十嵐にとってチョープーは10代前半から毎年訪れてきた思い入れのある場所。波を知り尽くしているだけに十分挽回のチャンスはある。

空手の喜友名諒は沖縄県出身選手では初の金メダリストに 【写真:青木紘二/アフロスポーツ】

 東京五輪では、日本の伝統武道である空手も新競技に加わった。空手は、仮想敵に対する攻撃技と防御技を演舞する「形(かた)」、2人で戦う「組手(くみて)」で競技が行われた。

「形」で金メダルに輝いたのは沖縄市出身の喜友名諒。喜友名は2014年、2016年、2018年と世界選手権を3連覇しており、東京五輪でも実力を発揮。女子では清水希容が銀メダルを獲得した。喜友は2023年1月、清水は今年5月に現役引退を発表している。

「組手(くみて)」では、男子75㎏超級の荒賀龍太郎が銅メダルを獲得。メダル候補と期待された女子組手61キロ超級の植草歩が1次リーグで敗退するなど、組手勢が苦戦するなか、荒賀が空手母国としての意地を示した。

「日本初」連続! 世界を驚かせた日本の大躍進

歴史的な偉業を成し遂げたバスケ女子日本代表 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】

 バスケットボール女子日本代表は、準決勝のフランス戦にメダル獲得をかけて臨み、87-71で勝利。これで銀メダル以上が確定した。平均身長は東京五輪出場12カ国の中で、日本は2番目に低い176センチ。フィジカル差がものをいうバスケットボールで、圧倒的なスピード、正確なスリーポイントシュートで世界を驚かせた。

 2016年リオデジャネイロ大会後から代表を率いるトム・ホーバス監督は、就任当初から「金メダル」を公言。決勝は、オリンピック7連覇を達成した最強米国に75-90で力負けしたが、日本バスケット界初の銀メダルを獲得した選手たちの充実した表情は、コロナ禍の日本に勇気を与えた。

 東京五輪後、コーチとしてホーバス監督を支えた恩塚亨が新監督に就任。就任直後のアジアカップで前人未踏の5連覇の偉業を成し遂げた。今年2月のパリ五輪世界最終予選でカナダを86-82で破って、3大会連続6度目の五輪出場を決めた。女子日本代表は世界ランク1位の米国、6位のベルギー、19位のドイツと1次リーグを戦う。

日本女子ボクシング初の金メダルに喜ぶ入江聖奈 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 ボクシングは代表6選手のうち半分の3名がメダルを獲得。金メダルは女子フェザー級(54-57kg)の入江聖奈、銅メダルは男子フライ級(48-52kg)の田中亮明、女子フライ級(48-51㎏)の並木月海が獲得。代表メンバーに加わった女子選手2人ともメダルを手にした。

 ボクシング日本女子として初となる金メダルに輝いた入江聖奈は、鳥取県出身者としても初の五輪金メダリスト。そんな入江はパリを目指さず、あっさりとボクシングから身を引いた。現在は大学院で大好きなカエルの研究に勤しんでいる。
 フェンシングは、男子エペ団体(山田優、見延和靖、加納虹輝、宇山賢)が悲願の金メダルを獲得。当時、世界ランキング8位だった日本が地元・東京で下剋上を演じて見せた。2008年北京大会男子フルーレの太田雄貴、2012年ロンドン大会男子フルーレ団体で銀メダルを獲得していたが、エペでは男女通じて初のメダルが金メダルに。金メダルメンバーの山田優、見延和靖、加納虹輝はパリ五輪にも出場。それぞれ世界大会で結果を残しているだけに、個人でのメダル獲得も十分期待できる。

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント