週刊ドラフトレポート(毎週木曜日更新)

【週刊ドラフトレポート#01】大型右腕の今朝丸裕喜は1位指名の可能性も? 「高校No.1捕手」箱山遥人の評価も固まる

西尾典文
 年間400試合以上のアマチュア野球を観戦し、ドラフト中継番組では解説も務めるベースボールライター西尾典文さんが、秋のドラフト会議に向けて有望なアマチュア選手を毎週レポートします!

 今回紹介するのは、選抜高校野球で見事なパフォーマンスを見せた2人、今朝丸裕喜(報徳学園)と箱山遥人(健大高崎)。果たして西尾さんの評価は?
(企画編集:Timely!編集部)

*現時点のレベルバロメーター:
★★★★★5:複数球団の1位入札濃厚
★★★★☆4:1位指名の可能性あり
★★★☆☆3:2位以上の可能性あり
★★☆☆☆2:支配下での指名濃厚
★☆☆☆☆1:育成であれば指名濃厚

「多彩な変化球に抜群コントロール、MAX151キロの高校No.1右腕」

まだ細さは残るが長身で球も速く、コントロールも抜群の今朝丸 【写真は共同】

今朝丸裕喜(報徳学園 3年 投手 187cm/77kg 右投/右打)

【将来像】種市篤暉(ロッテ)

長身を持て余すことなく使え、ボールの角度と鋭く落ちるフォークなど類似点が多い
【指名オススメ球団】オリックス
長身で細身の高校生投手が続々とスケールアップしているため
【現時点のドラフト評価】★★★★☆(1位指名の可能性あり)

 多くの好投手が登場した選抜高校野球だったが、間違いなくナンバーワンと言えるピッチングを見せたのが今朝丸だ。中学時代は関西の強豪チームとして知られる関メディベースボールヤング(現在はポニー)でプレーしており、初めてプレーを見たのは2年冬に甲子園球場で行われた「中学硬式野球関西No.1決定戦 第6回タイガースカップ」でのことだった。当時から長身で投手としてのセンスの良さは感じたが、ストレートは120キロ台前半と驚くようなスピードがあったわけではない。報徳学園進学後も1年秋から投手陣の一角に定着し、昨年の選抜でも4試合に登板しているものの、ストレートの大半は130キロ台で、そこまで強い印象は残らなかった。

 そんな今朝丸の評判が一気に関係者の間で高くなったのは昨年の秋、練習試合で150キロをマークしたという話が出てからだ。残念ながら秋の近畿大会での投球を現地で見ることはできなかったが、映像を見る限りでも選抜と比べて力強さが増しているように見えた。

 今年3月2日に行われた神戸弘陵との練習試合で約1年ぶりに現地での投球を見られたが、体格はまだ細さが残るものの、体重移動のスピードと腕の振りの鋭さは別人のようになっており、まだ気温が低い時期ながら最速147キロをマーク。先発で3回を無失点、5奪三振と圧巻の投球を見せたのだ。視察に訪れていたスカウト陣からも「順調すぎて逆に選抜が怖いくらい。この投球が基準になってしまうとかわいそう」という声も聞かれるほどだった。

 しかし選抜での今朝丸は、そんな不安の声をかき消すような結果を残す。1回戦では大会屈指の強力打線を誇る愛工大名電に先制点こそ許したものの、7回を1失点と好投。チームの逆転勝利を呼び込んでいる。準々決勝は昨年秋の近畿大会で敗れた大阪桐蔭を相手に1失点完投。準決勝では2点リードの9回にリリーフで最後の打者1人を抑え、決勝では惜しくも優勝こそ逃したが、健大高崎を3失点完投といずれも見事なピッチングを見せた。

 ストレートの最速は大会前の練習試合で記録した自己最速の151キロには届かなかったが、決勝戦の8回にも149キロを計測するなどコンスタントに145キロ以上をマーク。ただそんなスピード以上に素晴らしかったのがコントロールだ。きれいに縦から腕が振れ、リリースの感覚も良く、大きく抜けたり引っかかったりするようなボールは皆無で、逆球も非常に少ない。24回1/3を投げて与四球2という数字も、高い制球力を物語っている。死球は2個与えているが、それも内角を厳しく攻めた結果であり、逆にプラス要因と言えるだろう。変化球もスライダー、カットボール、フォークは打者の手元で鋭く変化し、腕の振りもストレートと変わらないため、いずれも決め球として使うことができる。クイック、牽制、フィールディングなど投げる以外のプレーも大型でありながら器用にこなし、しっかり鍛えられていることが分かった。

 フォームについては三塁側から見ると、少し軸足に体重が残っており、その点は課題と言えるが、それでもこれだけ高いレベルのスピードとコントロールがあり、むしろ“伸びしろ”のようにも感じる。体つきも昨年よりは大きくなったものの、まだ細身という印象は変わらず、筋肉量がついてくればさらなるスケールアップも見込めるはずだ。

 長身でスピードとまとまりを備え、成長の余地も多分に残しているように見えるというのは、プロが高校生投手を評価するうえでプラスの要素を全て備えているとも言える。今大会の活躍で、有力な1位候補に浮上したと言えるだろう。

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著者プロフィール

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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