西武ドラフト1位・武内夏暉、松坂から教わった新たな引き出し プロ1年目の目標は「100イニング以上投げたい」

加賀一輝

プロ1年目のシーズンに挑む武内、新人王の期待もかかる 【スポーツナビ】

 近年若い才能が台頭し、「投手王国」を築く埼玉西武に期待のニューフェイスが加入した。昨秋のドラフト1位・武内夏暉である。

 185センチ90キロの堂々たる体格もさることながら、手足の長さが特徴的な左腕。硬軟織り交ぜるピッチングが持ち味で、キャンプ、オープン戦でも順調ぶりをアピール。4月3日のオリックス戦で公式戦デビューの予定だ。プロでの本格的なキャリアが始まる直前、どんな心境で臨もうとしているのか聞いてみた。
(取材日:3月21日)

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卒業式を欠席…同級生からのメッセージ

――ドラフトで3球団競合して、ライオンズが交渉権を獲得しました。その時に記者会見や取材があったと思いますが、改めてその時はどういう心境でしたか。

 事前に(指名の)公言はあったんですけど、どこの球団に入るか分からなかったので、本当にドキドキしたのを覚えています。ライオンズに交渉権が決まった時はホッとしたって感じでしたね。

――グラウンドで胴上げもされていたと思います。その時の記憶は?

 嬉しいのひと言でした。でも、もう「ここから頑張っていかなくちゃ」というのが強かったですね。

――ライオンズというチーム、球団に対して、武内さんの中でイメージはありましたか。

 投手陣が強力で、先発ピッチャーが豊富なのは聞いていて。そこに割って入っていけるかどうかっていう不安はありつつ、そこでも成長できるのかなって感じましたね。

――昨日は大学の卒業式を欠席して、オープン戦最終登板に臨みましたね(※編注:3月20日の広島戦@ベルーナドーム、5回6安打3失点の内容だった)。大学の同級生たちから連絡はありました?

 連絡ありました。先発の前の日ぐらいにニュースで(卒業式欠席の旨が)出ていたみたいで、何人かから「出られないんだ」みたいな。「試合頑張って」と応援してくれていました。

松坂臨時コーチから教わったこと

春季キャンプでの武内。ブルペンでの投球練習を終えた後、松坂臨時コーチと真剣な表情で言葉を交わす場面があった 【写真は共同】

――キャンプ、オープン戦とプロ野球選手として過ごしてきました。ライオンズの雰囲気、何か感じたことは?

 自分を持っているというか、みんなと一緒にやるとかじゃなくて、個人個人でやることが多いので、一人ひとりがしっかりしているなって印象はありました。

――ライオンズの投手陣は情報交換が活発と聞きます。周りの先輩方とピッチング談義はしました?

 話はしているんですけど、正直まだ何も分からない状態なので聞くだけは聞いて。まずは大学でやってきたことをプロでもやっていこうって、自分は思ってるんですけど。でも、話は結構聞きますね。

――大学でやってきたことをまずやろうということですね。周りの人、例えばスカウトの方からも言われていた?

 そうですね。「大学で結果残してきたから、まずはそのまま続けていけ」って言われていますね。

――ここまでどうですか。それでやってみて。

 キャンプ、オープン戦と進んで、怪我なくやれていることが1番大きいですし、その中でも日々練習して成長できているので、本当に今は順調かなって思っています。

――キャンプでは松坂大輔臨時コーチの指導を受けていました。どんなことを教わりましたか。

 ツーシームの使い方は勉強になりました。これまでも得意な球種だったんですけど、同じ球種でもコースを変えることによって、また新たな引き出しというか、今まで投げていないボールを投げられるようになりました。その点は松坂さんのアドバイスのおかげなので、本当に良かったです。

――差し支えなければ聞かせてください。どのコースにツーシームを新しく使い始めましたか?

 今までは一塁側にしか投げてなかったんですけど、三塁側にも投げてみれば? と言われました。意外と投げられたので、これもいいんだなっていうか。

――右バッター、左バッターはあまり関係なく投げていく?

 関係なく。ブルペンで投げて意外と良かったので、今後も投げてみようかって感じです。

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著者プロフィール

1988年3月6日、愛知県生まれ。成蹊大学卒業後、一般企業を経て独立。ライティング、MCなど幅広く活動する。2016年〜23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。

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