セ・パ順位、ファンの予想は? 阪神「アレンパ」、オリックス4連覇に立ちはだかるのは

赤星元信

昨年は2位、3位の予想が多かった阪神が18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一に輝いた。果たして今年は? 【写真は共同】

 スポーツナビでは、プロ野球開幕の約2週間前に「順位予想」のファン投票を行った。本業の野球評論家も頭を悩ますのがこの「順位予想」。ベテランの引退、ドラフトでの新人入団、トレード・FAでの出入り、主力の故障、新鋭の台頭……。複数の要素が絡み合って、順位予想は実に難しい。ちなみに昨年は、37%のファンが1位と予想したヤクルトがセ5位、59%ものファンが1位と予想したソフトバンクが3位という結果になった。さて今年はどんなドラマが待っているのか、3月29日(金)、いよいよ2024年のプロ野球が開幕を迎える。

ファンが予想するセ・リーグ優勝チームは?

1位予想: 阪神→巨人→広島→ヤクルト→DeNA→中日
2位予想: 阪神→巨人→広島→DeNA→ヤクルト→中日
3位予想: 広島→DeNA→巨人→ヤクルト→阪神→中日
4位予想: 広島→DeNA→巨人→ヤクルト→中日→阪神
5位予想: ヤクルト→DeNA→中日→広島→巨人→阪神
6位予想: 中日→ヤクルト→DeNA→巨人→広島→阪神


 阪神の過去5度のリーグ優勝の翌年の順位は3位、3位、3位、4位、2位。2024年阪神の正式スローガンは「A.R.E.GOES ON」。アレ(優勝)に向かって挑み続けるという意味だ。昨年の阪神は対巨人戦18勝6敗1分と圧勝。球団初の連覇はなるのか。

高卒2年目の門別啓人が先発ローテ枠を争い、投手陣の競争はさらにハイレベルになった 【写真は共同】

【阪神】
1位予想:52.2%
2位予想:27.8%
3位予想:9.6%
4位予想:5.6%
5位予想:2.3%
6位予想:2.7%


 阪神優勝の要因を挙げる。走塁面では5年連続リーグ最多盗塁。攻撃面では「四球は安打と同じ」との考え方で、リーグ断トツの四球をもぎ取り、巨人の約半分のチーム84本塁打ながら、リーグ最多得点を奪った。守備面では「総入れ替え」コンバートにより、内野陣が落ち着いた。2022年は未勝利だった村上頌樹と大竹耕太郎で実に22勝を上積みした。

 昨年2位に11.5ゲーム差をつけたが、さらに不調だった青柳晃洋、湯浅京己が復調。投手でプロ2年目の門別啓人、打者で2年目の森下翔太、3年目の前川右京の進境が著しい。捕手は打の梅野隆太郎、守の坂本誠志郎と高いレベルの2枚を持つのもぜいたくだ。
【広島】
1位予想:12.4%
2位予想:20.4%
3位予想:23.5%
4位予想:24.0%
5位予想:14.7%
6位予想:4.6%


 “兄貴分”新井浩貴・新監督の就任で、2018年以来5年ぶりのAクラス。お家芸の盗塁はリーグ最少の26個から78個(2位)に激増した。
 
 先発陣は床田寛樹11勝、九里亜蓮8勝、森下暢仁9勝、大瀬良大地6勝。リリーバーは最優秀中継ぎの島内颯太郎42HPに左のターリー29HP、抑えは矢崎拓也24セーブ、栗林良吏18セーブ。本職の捕手に戻った坂倉将吾も1シーズンを守りきった。

 4番・西川龍馬がオリックスにFA移籍したが、昨年3Aで22本のレイノルズ、同30本のシャイナー両新外国人内野手、11本塁打した末包昇大がどれだけ援護射撃できるか
【DeNA】
1位予想: 6.5%
2位予想:16.3%
3位予想:22.4%
4位予想:22.8%
5位予想:20.7%
6位予想:12.4%


 打点王の4番・牧秀悟、首位打者の5番・宮﨑敏郎に、ドラフト1位のヒットメーカー・度会隆輝が加わる。「司令塔」の捕手は山本祐大、戸柱恭孝、松尾汐恩の複数捕手制だろう。

 昨年7勝の今永昇太、同10勝のバウアーが退団。昨年最多勝の東克樹に続く先発に、ソフトバンクから移籍の森唯斗が立候補。中継ぎの伊勢大夢、ウェンデルケン、通算250セーブまで残り23(昨年20セーブ)と迫る山﨑康晃の「勝利の方程式」までどうつなぐか。

 チームは2年連続Aクラス入りとはいえ、12球団でもっとも優勝から遠ざかるチームになってしまった。98年以来、四半世紀ぶりの優勝をめざす。

4年ぶりの優勝に向け、キャプテン・岡本和真の活躍が欠かせない 【写真は共同】

【巨人】
1位予想:18.0%
2位予想:21.5%
3位予想:21.9%
4位予想:20.2%
5位予想:12.1%
6位予想: 5.8%


 投手は 昨季12勝の戸郷翔征、10勝の山﨑伊織に続く先発投手が見当たらない。抑えの大勢も2022年37セーブの神通力が復活するのか。

 守備陣は、遊撃・門脇誠の出現により、坂本勇人が三塁コンバート、二塁・吉川尚輝、一塁・岡本和真と全員がゴールデングラブ賞の可能性を秘める。打撃陣は、岡本和真が7年連続「30本塁打80打点」を狙う。新人・泉口友汰内野手、佐々木俊輔外野手の評判もいい。

 17年間の監督生活で実に9度のリーグ優勝、3度の日本一に輝いた原辰徳監督が退任。「打てる捕手」だった阿部慎之助・新監督がどういう野球を推進するのか興味深い。
【ヤクルト】
1位予想: 8.0%
2位予想:11.4%
3位予想:15.3%
4位予想:20.2%
5位予想:30.7%
6位予想:14.9%


 村上宗隆をサンタナ、オスナの両外国人でサンドイッチするクリーンアップはセ・リーグ随一だ。あとはリードオフマンの塩見泰隆が復活できるかが打撃陣の鍵を握る。

 投手陣は小川泰弘に続く先発投手の出現が待たれる。2022年に8勝を挙げた高橋奎二、2021年9勝の奥川恭伸がエース候補ではあるが……。

 昨年は開幕5戦で4完封勝利だったが、3・4月は結局11勝13敗1分と負け越し。2年連続最下位、2年連続リーグ優勝、そして昨年の5位。連覇時の抑え・マクガフ(退団)、先発・サイスニード(昨年も7勝)と、投打ともに外国人頼りの編成から脱却できるか。
【中日】
1位予想:2.9%
2位予想:2.6%
3位予想:7.3%
4位予想:7.2%
5位予想:19.5%
6位予想:59.6%


 柳裕也、小笠原慎之介、高橋宏斗、涌井秀章は「先発負け越し2ケタ敗戦カルテット」を“逆”に転じさせたい。抑えには3年連続「防御率0点台、30セーブ」の快記録を狙うマルティネスが控えている。

 それにはとにかく広いバンテリンドームにおける打線だ。岡林勇希、大島洋平のヒットメーカーを、細川成也、中田翔、石川昂弥、鵜飼航丞らの大砲が還せれば勝利につながる。

「3年連続最下位」となると、1954年~大洋、1972年~広島、1998年~阪神、2002年~横浜、2008年~横浜以来となる。

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