さらなる躍進に期待のかかる広島 「ベテランと若手の融合」が今季のキーポイント

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侍ジャパンの井端監督から、大きな期待をかけられる高卒3年目の田村。さらなる躍進には新たな戦力の台頭が必要だ 【写真は共同】

 いよいよシーズン開幕が目前となったプロ野球。1934年の日本プロ野球誕生から90周年のメモリアルイヤーとなる今季、覇権を奪うのはどのチームになるだろうか。春季キャンプ、練習試合を含めた実戦を経て、各チームとも一軍メンバーが固まりつつあるが、もちろん1年間を戦うには開幕一軍入りを逃した選手の存在や若手の突き上げも必要不可欠だ。そこで今回のコラムでは各チームの昨季の「ポジション別得失点貢献」をもとに、新シーズンを戦ううえでのポイントや展望を確認していきたい。貢献度に使用する選手評価は、野手の打撃をwRAA(Weighted Runs Above Average)、守備にはUZR(Ultimate Zone Rating)。投手はRSAA(Runs Saved Above Average)を用いている。いずれもリーグ内の平均的な選手と比較して、打撃・守備・投球でどれだけ得失点に貢献しているかを示した指標であり、本稿ではそれぞれ同一ポジションの平均的な選手と比較している。なお、RSAAの計算式で使用される失点率は実際のものではなく、守備の影響を排除したtRA(True Run Average)を使用している。

 今回、評価に活用した2つの指標(wRAA、RSAA)は、スポーツナビがプロ野球の週間MVPを選出する企画でも活用しており、指標の解説を以下リンクから確認できる。

※本文は2024年3月17日時点の情報をもとに執筆。

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打たせて取るピッチングを得意とする先発陣

【データスタジアム株式会社】

 昨季は2位でレギュラーシーズンを終えた広島だが、先発投手陣の得点貢献度はリーグ5位の-8.9という数字だった。広島のローテーション投手は、緩急やコースの投げ分けで相手打者を打ち取るタイプの投手が多いのが特徴だ。その代表格が九里亜蓮である。丁寧なピッチングとタフネスぶりでリーグ最多の投球回を記録すると、RSAAでもチームトップの数値をマークした。すでに今季の開幕投手に内定しており、ローテーションの柱として期待される。先発として九里に次ぐ得点貢献度を記録したのは森下暢仁だった。精密なコントロールを武器にチーム2位の9勝をマークしたが、ルーキーイヤーから年々奪三振率が低下している点は気になるところ。空振りを奪える決め球の習得があれば、エース級の活躍も見込める投手ではあるが、オープン戦でも空振りはあまり奪えていない。

3番手以降は自身初めて規定投球回に到達してリーグ3位の防御率2.19を記録した床田寛樹や、自己ワーストの11敗を喫した前年からの巻き返しを図る大瀬良大地、新外国人のハッチが続く。若手では、アドゥワ誠や黒原拓未がオープン戦で好投を見せており、先発投手の枚数はそろいつつある。支配力のあるエースピッチャーが不在であるため、強力な先発陣とまではいえないものの、穴のないローテーションとなる見込みだ。

充実した勝ちパターン

想定的な数値で見るとわずかにマイナスとなるが、リリーフ陣には優秀な投手がそろっている 【写真は共同】

 昨季、リーグ3位の救援防御率を記録した広島のリリーフ陣。リーグ内の相対的な得点貢献度で見るとわずかにマイナスという評価ではあるが、主力には優秀な投手がそろっている。守護神の栗林良吏は前半戦こそ低迷したものの、後半戦は防御率1点台をマークしており、能力の高さを示している。栗林の代役として一時抑えを務めた矢崎拓也も、リーグ4位の24セーブと見事に役割を果たした。昨季の最優秀中継ぎ投手である島内颯太郎は得点貢献度の面でも評価が高く、リーグの救援投手としては中日・マルティネスに次ぐ数値を記録している。他にも大道温貴や中﨑翔太が貢献度でプラスとなっており、勝ちパターンの継投に大きな不安はない。

 救援陣をチームの大きな強みとするためには、それ以外の選手の台頭が求められる。オープン戦ではともに腕の角度を落としたフォームに変更した塹江敦哉、益田武尚が積極的に起用されているほか、昨季は不振だった森浦大輔が好投を続けている。新助っ人左腕のハーン、ドラフト3位ルーキーの滝田一希、右肘の手術から一軍復帰を目指すケムナ誠らでブルペン陣の底上げができるか注目だ。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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