打率.500、2本塁打、OPS1.486と絶好調の大谷に、最終戦で不安が残った山本 ドジャースキャンプいよいよ打ち上げ
3月13日のマリナーズ戦の前、サインの求めに応じる大谷翔平 【写真は共同】
最終戦で山本由伸が登板し、4回2/3を投げて、8安打、4失点とやや不安の残る内容だったが、7三振を奪った。「2番・指名打者」で出場した大谷翔平は初回、あわやホームランかという打球を右翼に放ったが、右翼から左翼に吹いていた強い風に押し戻された。その後は、2打席連続で見逃し三振に終わっている。
キャンプでの通算成績は、山本が3試合に登板し、9回2/3を投げて15安打、9失点、4四球、14奪三振。防御率は8.38だった。大谷は8試合に出場し、22打数11安打、2本塁打、9打点、5得点で、打率は5割ちょうどだった。
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時差ボケを防ぐ行動サイクルとは?
ドジャースは2014年にオーストラリアで開幕を行った経験を元に、今回は睡眠スペシャリストとも相談し、一番時差ボケになりにくい出発時間を選択したという。パドレスが到着するのはおそらく14日深夜。ドジャースは15日午後。12時間の差がある。
アメリカ時間で夜に出発すると、飛行機の中で寝てしまい、到着してから寝られなくなる。13日夜は普通に睡眠をとり、機内ではできるだけ寝ないようにして、韓国に到着後、夕食をとって少しゆっくりしてから眠るーーというサイクルを想定しているそう。19年にマリナーズが日本で開幕戦を行ったときも、同様の移動パターンだった。
もっとも、あのときのマリナーズの選手もそうだったが、米国に戻ってきてからのほうが時差ボケになりやすい。試合後に出発する場合、飛行機のなかで寝てしまう。ロサンゼルスに着くのは夕方。その日の夜にうまく寝られなければ、時差ボケになる。
ちなみに21日夕方に帰国後、24日にはもうエンゼルスとのオープン戦が組まれている。3試合あるので、選手らはそこで体内時計を修正することになる。
バウアーが見せた圧巻の投球
10日のドジャースのマイナー戦に先発登板した、アジアンブリーズのバウアー 【写真は共同】
その日、大谷は「2番・指名打者」でスタメン出場していたが、マイナーリーグのフィールドでは、横浜DeNAベイスターズからFA(フリーエージェント)となっているトレバー・バウアーが、プロ契約の獲得を目的とする選手らで構成される「アジアンブリーズ」の一員として、ドジャースのマイナーリーガーを相手に先発した。初回こそ守備のミスもあって走者を背負ったが、圧巻の投球を見せた。
初回を終えたとき、バウアーから「どのくらいの球速が出ていた?」と聞かれた。その時点では分からなかったので、2回からネット裏に陣取るドジャースのスタッフの裏に回り、トラックマン(球速、回転数、回転方向などを計測する測定器)のデータを全球確認した。すると、真っ直ぐはすべて90マイル台後半。最速が99マイルだった。
2回を終えて、関係者に球速を書いたメモをバウアーに渡してもらおうとしていると、また本人がベンチから出てきた。「どうだった?」。そこで球速を伝えると、「本当か?」と驚いていた。
「1回の時点でわかっていたら、100マイルを狙ったのに」
三回で降板すると大きな拍手が湧き上がり、本球場と変わらぬ熱気に包まれた。その後バウアーは、集まったファン全員にサインをし、写真撮影に応じた。
現時点で、今後は不透明。「出場停止処分も明けたし、訴訟もすべて和解して、クリアになっている。最低年俸でもプレーする準備が出来ている。普通に考えたら、メジャーリーグの球団と契約出来ると思うけど、どうなんだろう。将来は誰にもわからない」とバウアー。声がかかるまで彼は、1人で練習を続けるようだ。
同じ日、アリゾナ州フェニックスで行われていた「セイバーアナリティクス・カンファレンス」では、今季から新たに「BASEBALL SAVANT」で検索できるデータが紹介された。
そのうちのひとつがスイングスピード。これはコンタクトの瞬間の平均値で、ハーフスイングなどスピードの遅い下位10%を除いて計算。昨年の場合、以下が平均値のランキングである。
1. ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)81.0マイル
2. ジョー・アデル(エンゼルス)79.2マイル
3. ジュニオール・カミネロ(レイズ)78.2マイル
4. 大谷翔平(エンゼルス)77.4マイル
4. マット・ウォルナー(ツインズ)77.4マイル
4. カイル・シュワバー(フィリーズ)77.4マイル
4. ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス) 77.4マイル
カミネロは昨年、36回しか打席に立っていないので、サンプルが少ない。アデルもケガなどで62打席。この2人は省いてもいいので、大谷、アクーニャJr.らが、実質2位タイといえそうだ。
スイングスピードが速ければ、結果が出るわけではない。しかし、納得のメンバーが上位にランクイン。これで、いかに効率的に打球に力を伝えているかを示す「スマッシュファクター」という指標も計算できるようになるので、今季はそんなデータも注目されそうだ。