バドミントン大堀彩、躍進の背景 不利な環境でアジア大会銅メダル獲得の理由とは
不利な環境と言われたアジア大会で、大堀は自身初のメダルを獲得した 【写真:アフロ】
アジアは、世界で最もバドミントンが盛んな地域だ。大陸大会におけるポイントも格付けが異なる。アジア大会は、BWF(世界バドミントン連盟)ワールドツアー最上位と同等のポイント。準々決勝で世界ランク4位の戴資穎(タイ・ツーイン=台湾)を撃破して獲得したメダルの価値は、大きい。
シャトルが「重い」から生まれた変化
「相手によってですけど、今大会は、羽根がすごい重たかったので、自分の打つ球も決まらない。相手もきつくなってくると(ネット)前に落としたくなるかなというのがあったので、クリアー(相手コート後方への球)もそうですけど、前からの変化で崩して行こうと思って、今大会は、すごく、前を意識していました」
強打が生きない環境で相手の行動を先読み
強打と組み合わせやすいのは、強打に反応するために下がり目のポジションにいる相手に対して、ネット前に低く落ちる球を打つ方法だ。大堀は、それを待ち構えていた。ネット前に来る球への反応が速く、安定した体勢でネット前に落とし返して主導権を握ったり、ネット前に出て来る相手の逆を取るクリアーを打ったりする場面が多かった。ネット前の落とし合いで優位に立ち、より低い位置から打たされた相手がたまらず逃げようと高い球を出してきたところを、長身を生かしてたたき落とす場面も多かった。